結城市で新工業団地 県国土審 農業地域の縮小を審議

[2023/7/27 茨城版]
 県国土利用計画審議会(会長・谷口守筑波大学教授)は24日、県庁で本年度の審議会を開催した。県知事から諮問された県土地利用基本計画(計画図)の一部変更に伴う2件の議案を審議し、いずれも「異議なし」と答申。今回の変更は、農業地域を縮小し、工業団地と宅地の造成に活用するものとなる。具体的には結城市の結城・鹿窪地区で新工業団地の整備、牛久市の東猯穴地区で宅地の造成を予定する。

 この審議会は国土利用計画法に基づき、県土利用の基本となる計画の策定・変更について、県知事の諮問に基づいて調査・審議するもの。土地利用上の課題に対応した県土利用を進め、良好な生活環境の確保と県土のさらなる発展を目指すという目標の達成に向け、重要な役割を担う。

 県土地利用基本計画は、県国土利用計画に示された将来像を実現するための土地利用の調整方針を定めたもの。計画図と計画書の2つで構成し、計画図は都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5つの地域の状況を地図上に表している。

 各地域の個別法の許可や区域の指定は、それぞれ個別法に基づく審議会で審議されるが、その結果により土地利用の状況に変化が生じることから、審議会に諮り、土地利用計画図を変更する。

 今回は、農業地域の縮小2件を審議。対象は結城市と牛久市となる。

 このうち、結城市では工業団地造成を行うため、農業地域の縮小を実施する。事業主体は結城市繁昌塚南土地区画整理組合で、対象地は結城・鹿窪地区の農業地域23ha。今回の変更は、圏央道や新4号国道など、広域的な交通利便性の良さを活かし、結城第一工業団地の拠点性や地域経済基盤の強化を目的として、市街化区域に編入(用途地域〔工業専用地域〕)して新たな工業団地として計画的な土地利用を図ることが理由となる。全体面積約23haのうち、緑地や調整池、道路用地などを除いた分譲面積は約18.5ha程度となる見込み。また、市からの委託を受けて都市計画センター結城支店で都市計画決定の手続きも進めており、24年2月ごろの認可申請を見込む。23年12月から24年1月ごろには進出企業を公募し、企業が決定すれば、24年度には造成工事へ着手する予定だ。事業手法は組合施行の区画整理事業を想定し、24年度の組合設立を目指す。

 牛久市では、宅地造成を行うため、農業地域の縮小を実施する。事業主体は牛久市東猯穴土地区画整理組で、対象地は東猯穴地内の16ha。今回の変更は、JR常磐線ひたち野うしく駅周辺において、市街化区域に編入(用途地域〔第一種低層住居専用地域および第一種中高層住居専用地域〕)して将来にわたって良好な住宅環境の維持増進を図ることが理由となる。

 事業形態は組合施行による土地区画整理事業とし、事業手法は業務代行方式を採用。なお、事業協力者には大和ハウス工業つくば支社(つくば市)を選定している。現在は、事業協力者ともに事業計画案の検討を進めている段階で、事業協力者は市が行う都市計画手続きの進捗に合わせ、ことし夏ごろにも業務代行者を前提とした業務代行予定者に移行し、組合への移行支援などを行う。

 市では、市街化区域編入や用途地域指定などを担いながら、準備組合と足並みを揃えて手続きを進める。都市計画決定は県と市の決定となり、24年夏ごろまでに決定したあと、準備組合では同年冬までに組合設立を目指す。業務代行予定者は、組合設立後に業務代行者へと移行し、事業運営や工事施行を行っていく。

 順調に進めば、25年度にも造成工事に着工し、28年度中の事業完了を目指す。宅地の整備数は約300区画(200~250平方m)程度を予定している。

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