校舎建設が起工 施工は橋本店らJV 新中学校整備(宮城県 美里町)
[2023/7/25 宮城版]
3つの中学校を統合して新中学校を整備する宮城県美里町は7月24日、本体工事の起工式を行った。大和リース(仙台支社・仙台市太白区)らの特別目的会社が、設計・施工と建設後の維持管理を担う。このうち、特別目的会社の構成員でもある橋本店(仙台市青葉区)らのJVが、RC造一部S造4階建ての複合施設を建設する。町は今後、並行して町道改良や上下水道の工事を発注していく。
建設現場に近い駅東地域交流センターで行われた新中学校整備等事業建設工事業務の起工式には、相澤清一町長をはじめ町議会議員や学校関係者ら約70人が出席した。神事が執り行われ、相澤町長ら5人が一斉に鍬入れを行った。
新中学校の整備事業は、プロポーザルで特定された大和リースらのグループが特別目的会社「宮城美里PFIパートナーズ」を設立し、設計・施工と建設後2040年3月末までの維持管理を請け負っている。地元企業では同社の構成員に、橋本店と関・空間設計(仙台市青葉区)、太平ビルサービス(大崎営業所・大崎市)が加わっている。
式典であいさつした相澤町長は、中学校の再編方針について2014年度に町の審議会から答申を受けたことを伝え、「あれから9年、やっとここまでたどり着いた思いだ」と感慨深く語った。そして、新たな学び舎の整備に関し「未来を担う子どもたちの教育環境をより良いものとするため、新中学校の整備を公民連携のPFI方式で進めていく」と話した。
新中学校の建設地は、JR小牛田駅から450mほど東側となる新峯山の敷地3万9424.7平方m。地盤の弱い農地だったため、これまで載荷盛土を行って沈下を促進させてきた。1年余りの載荷盛土を経て、いよいよ校舎などの建設が始まる。
建設事業業務については、同パートナーズから工事を請け負った橋本店・石堂建設(美里町)・大和リースの3社JVが担当する。
学校施設は、校舎や体育館、武道場などが一体となったRC造一部S造4階建て延べ9760.2平方mの複合施設となっている。「教室は大きな家・学校は小さなまち」を施設全体のコンセプトに掲げ、空間のまとまりとして▽ラーニングコモンズ▽学年コモンズ▽教職員コモンズ▽地域コモンズ──といった「コモンズ」で施設を構成している。25年2月中に町に引き渡し、同4月の開校を目指す。
同パートナーズの代表取締役に就いた大和リースの浮穴浩一取締役常務執行役員は「新中学校は安全・安心を第一とした学びの場であることはもちろん、地域とつながり、共に成長していく場としての機能を備えていく。町内の企業にも仕事を発注し、経済面でも町に貢献していきたい」と事業推進の意義を述べた。
町としても、並行して公共事業を推進していく。建設地の北側と西側を通る町道を対象に、通学時の安全対策として新たに歩道を整備する考え。また、街路灯などを新設するほか、近接する交差点は信号機の新設を含め、改良を計画している。建設地が元農地だったため、上下水道の新たな整備も必要になっている。
現時点では、本年度中に配水管の敷設工事などを発注する意向だ。町道の改良については、校舎などの外郭が仕上がってくる24年度中盤からの着工が見込まれる。