国道6号の整備を 県央首長らが県知事に要望活動
[2023/7/25 茨城版]
県央地域9市町村の各首長で組織する県央地域首長懇話会(座長・高橋靖水戸市長)は20日、県の24年度予算概算要求に対し、地域内で実施する事業の促進を求める要望書を大井川和彦県知事に提出した。要望項目は21項目となり、このうち、5項目は県央地域全体の要望として全市町村が要望。主なものでは、国道6号の整備促進や社会資本総合整備事業などを盛り込んだ。また、各市町村ごとの個別の要望では、水戸市が水戸勝田環状道路の整備促進、笠間市が茨城中央工業団地の整備促進と県畜産試験場跡地の利活用およびアクセス道路の整備、ひたちなか市がひたちなか地区の土地利用を求めた(要望事項の概要は後日掲載)。
懇話会は水戸市と笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村の5市3町1村で構成する。当日は各首長らが県庁を訪れて、大井川知事に県央地域内の主要事業の促進や各種支援の充実を要望した。
あいさつに立った高橋市長は昨年度からいばらき県央地域連携中枢都市圏の取り組みとして、地域経済の活性化や生活環境の充実などの施策を9市町村が連携して実施していることを紹介。続けて、要望内容を説明し、「要望事項の実現とともに、県央地区の発展に向けて県からの特段の配慮をお願いしたい」と述べた。
要望内容の説明では、県央地域全体の要望として、▽原油価格・物価高騰対策への支援・地方自治体に対する財政支援▽財政支援制度の創設▽小児医療および周産期医療体制の確立に向けた支援▽国道6号の整備促進▽社会資本総合整備事業──の5項目を盛り込んだ。
このうち、建設業関連の内容をみると、「財政支援制度の創設」では、施設の統廃合による公共施設の除却に対する助成制度の創設を要望。また、水道施設等耐震化事業に係る対象施設の基準事業費の緩和と交付率の引き上げ、老朽管更新事業に係る新規実施の採択、対象管種の緩和と交付率の引上げも求めた。
「国道6号の整備促進」では、広域交通ネットワークの形成や観光の振興をはじめ、さまざまな取り組みに同線の機能強化が不可欠だと指摘。具体的には、水戸市酒門町交差点立体化の整備促進や小美玉道路(仮称)の早期事業化、茨城町地内(小美玉市行政界から茨城町長岡の区間)と那珂市向山から東海村石神外宿間の4車線化に向けた整備促進について、国に働きかけるよう要望。特に那珂市向山から東海村石神外宿の区間は、東海村が重点要望に位置付けている。
「社会資本総合整備事業」では、県央地域における防災・安全交付金事業、社会資本整備総合交付金事業、都市構造再編集中支援事業、交通安全対策補助事業、地域連携道路補助事業の一層の推進を図るため、事業費の補助を国に働きかけるよう要望した。
市町村別の要望のうち、重点要望をみると、小美玉市は茨城空港の利用促進とアクセス向上を求めた。百里飛行場連絡道路のうち、国道355号玉里石岡バイパスと百里飛行場南北線(仮称)の早期事業化を要望。あわせて、つくばエクスプレスを将来的には茨城空港まで延伸することも求めた。
笠間市と茨城町は茨城中央工業団地の整備促進と企業誘致、県畜産試験場跡地に係る利活用、アクセス道路の整備と企業誘致の推進を要望。このうち、茨城中央工業団地では、笠間地区で未整備部分の整備に加え、関連道路である流通センター東西線(大洗友部線)と流通センター北線・南線(石岡城里線バイパス)の早期整備を求めた。第1期・第2期地区では、さらなる企業誘致の推進と小鶴南川又線(大洗友部線)の整備を求めた。
また、県畜産試験場跡地では、北街区と東街区での企業誘致や、北関東道友部ICからのアクセス道路である平友部停車場線の拡幅などの整備強化を要望した。
ひたちなか市は、ひたちなか地区の土地利用について要望を行った。土地利用の推進にあたり、国、県および地元市村による検討・調整の場を設けることを求めた。また、産業ゾーンで県施行の工業団地造成事業が決定したことに触れ、引き続き事業の着実な推進を希望した。
城里町は道の駅かつら移転に係る地域活性化促進を求めた。道の駅かつらは老朽化が進行していることに加え、那珂川大橋の架け替え事業において、同施設は移転対象施設となっていることを指摘。そこで町は移転事業にあたり、森林湖沼環境税の活用による支援を要望した。
水戸市は水戸勝田環状道路関連で、都市計画道路中大野中河内線と都市計画道路東中根高場線、都市計画道路菅谷飯田線の整備を要望した。このうち、中大野中河内線では、市道上大野9号線交点から中石崎水戸線交点、幹線市道3号線交点から水戸神栖線交点、国道50号交点から国道123号交点の早期整備に加え、那珂川への橋梁架設などを求めた。
このほか、那珂市は国道118号について、飯田から中里間での4車線化の早期整備を要望。大洗町は都市計画道路吉沼磯浜線の国道245号から都市計画道路関根祝町線間の早期事業化を要望している。