国交省千葉国道事務所の藤井和久所長就任インタビュー 圏央道開通を最優先 働きやすい環境づくり注力
[2023/7/20 千葉版]
国土交通省千葉国道事務所長に4日付けで就任した藤井和久氏が弊紙インタビューに応じた。開通時期を見直す圏央道大栄JCT~松尾横芝間の早期開通を最優先で進めるとともに、「建設業界は重要なパートナー」と語り、働きやすい環境づくりにも注力していく考えを示した。
──千葉県との関わりや印象は。
「千葉県での仕事は初めてだが、実家が埼玉県の春日部なので、非常になじみ深い。野田で買い物をしたり、こどもの頃は木更津に潮干狩りに連れて行ってもらったり、旭の飯岡で海水浴をした思い出がある」
「千葉県は工業、農業・畜産、漁業がバランスよく発展し、首都圏の暮らしと経済を支える非常に重要な地域だと思う。九十九里浜など風光明媚な自然景観も魅力だ」
──思い出深い仕事は。
「本省では道路局を中心に長く携わってきた。事務所長として初めて赴任した沼津河川国道事務所では道路のほか、河川や海岸、砂防、伊豆東部火山など幅広い業務を担当させてもらった。伊豆縦貫自動車道・天城峠の計画段階評価で概略ルートや構造を選定したことが印象に残っている」
「2009年から12年までの3年間、外務事務官として、イランのテヘランにある日本国大使館に赴任した。一等書記官として地震防災関係や水資源管理、湿原の環境保全などのプロジェクトのほか、アフガニスタンからの難民受け入れや麻薬対策など、業務は多岐にわたったが、やりがいのある仕事だった」
──就任の抱負を。
「国交省のミッションは大きく2つあると考えている。それは“地域の安全・安心の確保”と“暮らしと経済を支えるインフラ整備”。これらをしっかりと進めていくことが重要だ」
「道路には、人と地域をつなぐネットワーク機能、地域やまちをつくる空間としての機能がある。この2つの機能を発揮して、新たな価値を創造する社会を実現していきたい」
──重点的に進めたいことは。
「開通目標を見直す圏央道の大栄JCT~松尾横芝間について、地域の皆さんの期待に応えられるよう、NEXCO東日本と連携し、県や沿線市町の協力も得ながら、1日も早い開通に全力を尽くす。併せて、道路ネットワークを強化するためにも、新湾岸道路や千葉北西連絡道路について、県や沿線市と連携し、計画の早期具体化を目指したい」
──建設業界に一言。
「われわれの仕事を進めていく上で、建設業はなくてならない存在、重要なパートナーだ。平常時には暮らしと経済を支える“インフラ整備の担い手”、災害時には自身の危険を顧みずに最前線で災害復旧に取り組む“地域の守り手“として、大変感謝している」
「建設分野でもDXやビッグデータ、AIの活用などが急速に進み、建設業を取り巻く環境が大きく変化している。現場の声を聞きながら、魅力ある建設業の実現に向け、建設業界の働きやすい環境づくりにも注力していきたい」
プロフィル
ふじい・かずひさ
1977年3月生まれの46歳。埼玉県春日部市出身。2002年に国土交通省入省後、近畿地方整備局や和歌山県、在イラン日本国大使館などでの勤務を経て、17年から沼津河川国道事務所長、19年から本省道路局環境安全・防災課道路防災対策室企画専門官、21年から道路新産業開発機構ITS・新道路創生本部長などを歴任し、7月4日から現職。趣味は海釣りやランニング、ラグビー観戦。好きな言葉は「一隅を照らす」。