新サッカー場を計画 思川沿いに 概算工事費は10億円(小山市)
[2023/7/14 栃木版]
小山市は、サッカー場の整備検討を再開して、整備基本計画案をまとめた。それによると、思川沿いの渋井地内に一般用サッカーコート1面と少年用サッカーコート1面などを備えた施設の整備を構想している。2023年度は民間活力導入可能性調査を行い、24年度に管理運営手法を決定して、25年度に基本設計や実施設計を策定する。工事は26年度と27年度の2カ年で実施して、28年度の供用開始を目指す。工事費は、10億8269万円を試算している。
25年度設計、26年度着工へ
新たに整備するサッカー場は、通年利用可能なサッカー専用コートや利用者専用の駐車場、管理施設を備え、地域サッカー活動の拠点として市のサッカー競技の普及やレベル向上に寄与する施設を目指す。整備予定地は渋井地内の、思川を渡河する島田橋近隣にある白鴎大学野球場北側で、規模は3万4271平方mとなっている。
整備手法は、DBO方式またはPFI方式の採用を想定しており、民間活力導入可能性調査で民間事業者へのヒアリングやサウンディング調査を行って事業方式を決める。民間事業者の進出が期待できない場合や民間活力導入効果が低いと判断される場合は、従来方式(包括管理や指定管理者制度を含む)で事業を行う。
コートは少年用2面を兼ねた一般用サッカーコート1面(105m×68m)と、多目的広場を兼ねた少年用サッカーコート1面(68m×50m)で構成する。一般用は人工芝で計画し、少年用は天然芝舗装として、利用期間を長くするためにウインターオーバーシーディング(夏芝の上に冬芝の種子をまいて育てて、一年中緑の芝生を保つ手法)を行う。
配置計画は東の既存の調整池沿いに、敷地の北側に少年用サッカーコート、南側に一般用サッカーコートを配置する。既存調整池の東には、多目的広場を配置する。管理棟は、少年用コートと一般用コートに挟まれるように配置する。一般用コートを囲むように、駐車場や利用者用車道を整備し、駐輪場も敷地北と南に2カ所設置する。
管理棟はバリアフリーの観点から平屋建てとし、事務室・ミーティングルーム・医務室・更衣室・トイレ・器具倉庫などを設ける。
車道は、耐久性を重視した密粒度アスファルト舗装とする。歩道は、東の既存調整池周辺に整備を行い、ジョギングやウォーキングができるよう周回コースとし、カラー舗装を施す。
駐車場は201台を確保し、思いやり駐車スペースも5台設ける。駐輪場は149台を想定したが、台数は想定より少なくなる可能性がある。
一般用コートの西側には、膜屋根付きの閲覧席兼休憩席を設置する。園路沿いには、ベンチも設置する。敷地周囲には、高さ10m程度の防球ネットを整備。芝の管理のために散水設備も整備し、敷地西側の市道の配水管から給水する。
雨水排水は、敷地南側で既存調整池に隣接するよう新しい調整池の整備を予定しているが、調整池のみで雨水排水能力が不足する場合には、周囲の計画高から掘り下げたオンサイト貯留も検討する。汚水排水は、浄化槽を設ける。
その他付帯施設は、照明設備、園名板・案内板・施設配置図等のサイン、街路灯、時計、屋根付きの休憩スペースを計画している。
概算工事費は、10億8269万円を見込む。内訳は敷地造成が767万円、給水設備が3409万円、雨水排水設備が5613万円、汚水排水設備が227万円、電気設備が1億2873万円、園路広場が6972万円、サービス設備が628万円、管理施設が3388万円、建築施設組立設置が451万円、グラウンドコートが3億233万円、建築施設が8665万円としている。
市では、県サッカー協会の(仮称)とちぎフットボールセンター構想に呼応して候補地に立候補し、基本計画を策定して19年度の供用開始を目指していたが、他事業との調整などで事業を延期していた。一方で、市内のサッカー場は4カ所だけで需要を満たしきれていない状況となっており、市サッカー協会や市内の関係者・愛好家からサッカーコートの充実を求める声もあることから、とちぎフットボールセンターとして整備する方針を見直し、主に市民が利用できる身近なサッカー場を整備することとした。