小薮川の黒岩堰改修 事業概要 古峯原宮通りを4車線供用(鹿沼土木)
[2023/7/12 栃木版]
県鹿沼土木事務所の事業概要によると、2023年度は前年度の繰越分も含めて、事業箇所100カ所に事業費70億5560万円を計画する。内訳は、道路事業が59カ所で51億2702万円、街路事業が1カ所で7148万円、河川・砂防事業が40カ所で18億5709万円となる。主な事業は、昨年度に暫定2車線で供用した都計道古峯原宮通りの4車線での完了を図るほか、下日向粟野線の八幡前工区で栗沢橋の上部工や前後の取付道路の整備を進める。また河川は、一級河川小薮川で黒岩堰の改修や前後の護岸工などを実施。新規事業は、22年度補正新規の武子川仁神堂工区や鹿沼足尾線下南摩工区などに着手する。=2面に事業予定箇所
主な事業を見ると、街路事業の都市計画道路3・4・202号古峯原宮通り(主要地方道宇都宮鹿沼線)千渡東工区は、残る2車線の舗装工事や区画線工事などを進める。あわせて道路事業でも、宇都宮鹿沼線飯岡工区の飯岡橋前後の改良工事を実施して、延長1100mについて本年秋の完成4車線での供用を目指す。
飯岡工区の東側、宇都宮市との行政境までの区間については、宇都宮鹿沼線の飯岡東工区として4車線化拡幅事業や交差点改良を進めていく。昨年度は用地測量や物件調査を実施しており、本年度は用地買収の実施を予定している。
国道293号楡木バイパスは、II期工区の延長3.0kmを整備している。主要な構造物は、一級河川黒川を渡河する橋梁と、東北自動車道をアンダーパスするボックスで、これまでに路線測量や道路詳細設計、構造物(ボックス)の予備設計などを実施した。本年度は用地調査や用地買収と、東北自動車道との交差部の調査を予定する。
国道121号の天神町工区は、交差点改良と無電柱化に向けて、本年度は用地取得を進めていく。この天神町工区に隣接する国道293号上田町地区の電線共同溝整備は、鹿沼市で水路に架かる橋梁の水道管の移設を実施する。
国道121号の深津工区は、県企業局が整備する新産業団地の関連事業で、幅員を4車線分に拡幅改良して暫定2車線で供用する。昨年度までに測量や設計を実施しており、本年度から着工する。全体計画延長は、主要地方道宇都宮楡木線からさつきロード手前の市道との交差点までの2070mで、このうち市道との交差点側の約900mを本年度と24年度の2カ年で施工する。なお、市道との交差点の改良は鹿沼市が実施する。
下日向粟野線の八幡前工区は、公民館側の2工区で栗沢橋を上流側に架け替えており、施工中の上部工とあわせて本年度は新橋前後の改良工事や舗装工事を実施する。運動公園側の1工区は歩道の設置に向け、引き続き用地補償などを進める。
河川は、一級河川小薮川で楡木町の河川整備を進めていく。関東・東北豪雨などで浸水被害が発生した上流側の整備が完了したことから、引き続き中流域の延長600mで、河道断面の確保を目的とした整備を実施している。拡幅や神社橋の架け替えなどの工事に着手しており、本年度は護岸工事3件や黒岩堰の改修に向けた下部工事を予定している。
一級河川行川の堤防強化緊急対策プロジェクトは、宮前橋下流側で堤防を延長150mにわたり嵩上げする。現在は設計を策定中で、本年度は設計完了後に地権者説明を実施して、用地測量や用地買収を実施する。
砂防事業の宮入Aは、指定避難場所の深程中央公民館や人家11戸を保全するため、延長200mにわたり待受式擁壁工を実施する。昨年度まで東側の法面工事や待受擁壁工事を実施しており、本年度は南側斜面の擁壁工を予定。また島田沢は、砂防堰堤1基の施工を昨年度に続いて実施する。
新規事業の武子川仁神堂工区は、下流端の県道飯岡橋から上流端の市道1008号線希望橋まで総延長3500mで計画し、本年度は橋梁詳細設計と堰詳細設計を予定する。なお、仁神堂工区の下流側の深津工区については、JR日光線交差部の仮設進入路の工事を予定している。
同じく22年度補正新規の鹿沼足尾線下南摩工区は、南摩小学校や南摩中学校の通学路で延長400mの歩道整備を計画し、本年度は用地調査と用地補償を計画する。
このほか、東大芦川ダム関連のもみじの里公園は、東大芦川周辺で観光客用の駐車場が不足しており、地元からの要請で駐車場とトイレを整備する。敷地面積は4haで、基盤整備工事は22年度末に発注しており、本年度はトイレの建築工事を施工して事業を完了させる。
草久粟野線の追地口橋は、プレストレスト橋による床版打ち替えの上部工を発注しており、片側通行で交通を処理しながら施工している。緊急防災・減災対策事業の河川の堆積土除去工事は本年度、大芦川の野尻地先や黒川の貝島町外、北赤塚地先などを予定する。