本八幡駅前にビル2棟 市街地再開発で27年度の着工(千葉県市川市)
[2023/7/12 千葉版]
市川市都市計画審議会(会長・西村幸夫國學院大學教授)が11日に開かれ、本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業について報告された。JR本八幡駅前ロータリーの東側、「八幡一番街商店街」を含む本八幡ビルから国道14号までの約1.1haで、駅前にふさわしい土地利用を進め、44階と21階建ての高層ビル2棟延べ約11万4900平方mを建設する。戸数は約870戸。年度内の告示を見据え都市計画決定の手続きを進め、2024年度に市街地再開発組合を設立。25年度に権利変換計画の認可を得て、26年度に既存施設を解体、27年度の着工、30年度の竣工を目指す。
本八幡駅北口地区は、JRと京成、都営地下鉄の3駅に隣接。商業や都市型住宅地域として恵まれた立地条件にある一方、建物の老朽化が進み、歩行者空間が不足、駐車場など低未利用地の増加が課題となっている。
そこで、地権者らが中心となり、19年6月に「まちづくり検討会」、21年3月に「再開発準備組合」を設立するなど、再開発の実現に向けた検討を進めてきた。地権者50人のうち約8割が再開発準備組合に加入。再開発準備組合が主催した3月の地元住民向け説明会には約160人が出席した。事業協力者は三井不動産レジデンシャル。
施設計画によると、建物は地下2階・地上44階の南棟と、地下2階・地上21階の北棟の2棟で構成、土地の集約と建物の共同化を図る。地下階(駐車場約340台)でつながっているため、建築基準法上は1棟扱い。
敷地面積は約9900平方m、建築面積は約6600平方m。構造はRC造一部S造。塔屋を除く高さは160m。主な用途は住宅、商業・業務。
憩いの場を創出するため、スクランブル交差点に面して広場状公開空地約200平方m、駅前ロータリーに面して広場約200平方mを整備。商店街のにぎわいや葛飾八幡宮の参道を活かした街並みを形成するため、市道6003号(八幡一番街)の一部を廃止、敷地中央に既存商店街とつながる「にぎわい通路」を配置する。
都市計画については、「市街地再開発事業」と「高度利用地区」「地区計画」の3つを定め、中心市街地にふさわしい都市拠点を整備する。
再開発にあたっては、JR東日本と接続デッキの整備について協議を進めており、高層建物となることから、模型による風洞実験を実施するなど、詳細な予測・評価を進める方針だ。
本八幡駅北口地区では、国道14号の北側、スクランブル交差点東側の「本八幡E地区」約1.4haについても再開発準備組合が設立されている。