工業高校など統合 高校再編基本計画 未来共創型専門高校に再編(県教育委員会)
[2023/7/8 栃木版]
県教育委員会は、2024年度以降の中学校卒業者数の急激な減少などの現状と課題を踏まえて、「第三期県立高等学校再編基本計画(案)」をまとめた。24年度から35年度までの12年間を計画期間とし、生徒の減少率や今後の見通しなどを勘案して、中長期的視点に立ち今後の県立高校再編の基本的考え方を示している。このうち、24年度から29年度までの具体的な取り組み内容などを定めた前期実行計画では、全日制高校の再編で農業や工業、商業に関する学科を併置する未来共創型専門高校(仮称)を27年度から鹿沼や栃木、真岡、那須に順次設置することとし、この再編に伴い必要な施設整備を実施していく。
前期実行計画は、魅力ある県立高校づくりに向けて、学校の特色化の推進や特色ある学校の設置、全日制高校の規模・配置の適正化などを位置付けた。統合により全日制高校13校を5校に削減するほか、中等教育学校や単位制高校、未来共創型専門高校(仮称)、フレックス・ハイスクールなどを積極的に導入していく。
このうち、鹿沼南高校と鹿沼商工高校は27年度に統合し、1学年6学級(農業1、工業2、商業2、家庭1)の未来共創型専門高校を設置する。工業に関する学科は、機械・土木系、電気・情報系の2学科とする。新校は鹿沼商工高校の校地を使用し、農業実習などは鹿沼南高校の農場を使用する。
今市高校、今市工業高校と日光明峰高校は27年度に統合し、今市高校地に1学年6学級(スポーツ、工業、福祉)を設置する。今市工業高校では25年度に、機械科を1学級減らす。
栃木農業高校と栃木工業高校、栃木商業高校は、28年度に統合する。新校は1学年8学級(農業2、工業3、商業3)を併置し、未来共創型専門高校とする。工業は機械系、電気系、電子情報系の3学科とする。栃木商業高校地を主に使用し、農業実習などは栃木農業高校の農場等を使用する。栃木工業高校では26年度に、機械科を1学級減らす。
真岡北陵高校と真岡工業高校は29年度に統合し、1学年6学級(農業2、工業3、商業1)の未来共創型専門高校とする。工業は機械系、電子系、建設系の3学科とする。新校は真岡工業高校地を使用し、農業実習は真岡北陵高校の農場等を引き続き使用する。26年度には、真岡工業高校の機械科と生産機械科を機械系学科1学級に改編する。
那須拓陽高校と那須清峰高校は、29年度に統合する。1学年7学級(農業2、工業3、商業1、家庭1)の未来共創型専門高校を那須清峰高校地に設置し、農業は那須拓陽高校の農場などを使用する。那須清峰高校の機械科と機械制御科は、25年度に機械系学科1学級に改編する。
このほか、矢板高校では26年度に機械科と電子科の2学科2学級を統合し、工業に関する学科1学級に改編する。コース制の導入などで、引き続き機械と電子に関する学習の機会は維持する。
35年の中卒者数は、1万2600人程度(23年比28%減)が見込まれている。現在58校ある全日制県立高校を維持したまま、学級減のみで対応した場合、各校の小規模化が著しく進行し、教育の質の低下が懸念される。その一方で、中山間地域などにおける高校教育を受ける機会の確保にも配慮する必要がある。
全日制高校の適正規模は、1学級40人換算で1学年あたり4学級から8学級までとする。適正規模の維持が困難、または将来困難になることが見込まれる学校を中心に統合することで、適正な学校規模の維持に努める。
県では8月21日まで、これら再編計画案のパブリックコメントを実施している。また、7月22日の宇都宮地区をはじめとして、県内各地区で説明会を開催する。