立地企業4社を決定 東山田・谷貝地区の用地開発(古河市)
[2023/7/6 茨城版]
古河市が未来産業用地開発事業において、東山田・谷貝地区への立地企業を再募集した結果、2社からの応募があったことが分かった。その後、東山田・谷貝地区地権者協議会(川上幸男会長)で審査したところ、両社とも立地要件を満たしていると判断した。これにより、昨年8月の募集で内定していた2社と併せて合計4社となり、募集していたすべての区域で立地企業が決定することになった。内訳は製造業が3社、運輸・物流が1社となる。なお、企業名などについては、地権者と立地企業、市の3者で立地協定書を締結したあとに公表する見通しとなっている。
地権者協議会では、▽地域経済牽引事業の要件(基本計画に記載されている3要件)を満たしていること▽積極的な地元雇用に努めること▽企業の社会的責任に積極的に取り組むこと──などの要件を確認した。
基本計画に記載されている3つの要件は、[1]地域の特性を活用した成長ものづくり分野や交通インフラを活用した運輸・物流関連産業分野であること[2]高い付加価値を創出すること(付加価値増加分が5092万円超)[3]取引額が5.2%増加、売り上げが5.2%増加、雇用者数が6.7%または3人増加、雇用者給与等支給額が11.2%または2300万円増加のいずれかの経済的効果が見込まれること──とする。
東山田・谷貝地区は、首都圏から60km圏内で、最寄りの駅はJR宇都宮線の古河駅となる。圏央道の境古河ICからは約3km、新4号国道からは約3kmに位置する。面積は約21.8ha。現況は主に田で、市街化調整区域・農業振興整備計画上の農用地区域となっている。このうち、産業用地としては19.8haを開発する。区割りはA地区(製造業)が8.4ha、B地区(同)が4.1ha、C地区(運輸・物流)が3.6ha、D地区(製造業)が3.7haとする。
今後のスケジュールは、用地買収に向けての合意形成を図り、23年度中の契約を目指す。また、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認および土地利用調整計画を策定して県の同意を得るとともに、地区計画の策定に着手する。本年度は農地転用と開発行為の許可の取得を進めていく考えだ。
未来産業用地開発事業は、市の未来に向けた新たな産業用地を創出する事業で、昨年6月に国から地域未来投資促進法に基づく茨城県圏央道沿線地域基本計画に「東山田・谷貝地区」を追加する計画変更の同意を得た。このため、昨年8月に地権者協議会を設立し、地権者説明会で今後の事業の進め方について説明。地権者は約90人あまりで、今後は開発のための用地買収に向けて地権者の合意形成を図っていく。用地交渉は地権者協議会からの依頼受けて、市を通して行う予定だ。