古河労働庁舎が着工 事業概要 涸沼水鳥センターを推進(宇都宮営繕)
[2023/6/30 茨城版]
国土交通省宇都宮営繕事務所(黒田充所長)は、23年度の事業概要をまとめた。本年度の総事業費は7億3900万円で、前年度当初(10億7900万円)からは31.5%のマイナスとなった。このうち、県内事業費は前年度当初(6億6900万円)から7.8%マイナスの6億1700万円となる。本年度は引き続き涸沼水鳥・湿地センターの建設工事を進めるほか、新たに古河労働総合庁舎に着工するなど、他省庁などから事業委任を受けた支出委任事業を推進する。
同事務所は、本県(つくば市を除く)と栃木県を管轄区域として、国家機関の建築物などの施設整備や保全の指導を行っている。県内の事業は、支出委任事業として、継続事業に涸沼水鳥・湿地センター(展示施設および観察施設)の2件、新規事業に古河労働総合庁舎の新設や、農林水産研修所つくば館水戸ほ場(車庫、渡り廊下)の新設、龍ケ崎公共職業安定所の空調設備改修工事など3件を計画している。
このうち、古河労働総合庁舎は、古河市東3丁目にある古河公共職業安定所と古河労働基準監督署などの入る施設を、古河市古河駅東部土地区画整理事業地内に移転改築するもの。建築工事については、既に関東地方整備局からWTO案件の一般競争入札として1日に公告され、9月12日の開札が予定されている。
工事では、庁舎(RC造4階塔屋1階建て延べ2180平方m、建築面積2180平方m)や車庫(木造平屋60平方m)、自転車置場(木造平屋20平方m)などを整備する。工期は25年5月30日まで。参加資格は建築一式1200点以上で、発注規模は6億8000万円から15億円未満としている。このあと、第3四半期にも電気設備工事と機械設備工事を発注する計画だ。設計は松田平田設計(東京都港区)がまとめた。
龍ケ崎公共職業安定所の空調設備改修工事では、4月28日に機械設備改修工事として公募型指名競争入札の手続きが開始され、今月23日に開札となった。工事では、龍ケ崎市若柴町にある龍ケ崎公共職業安定所(RC造2階建て延べ約900平方m)で、空調設備や換気設備、自動制御設備、給水設備、ガス設備、電気設備などの改修工事を行う。工期は213日間としている。
農林水産研修所つくば館水戸ほ場の車庫棟建設工事では、5月29日に公募型指名競争入札が行われ、森建設が4380万円で落札した。工事では、車庫・自転車置場の新設や外構工事、造園工事などを行う。工期は11月30日まで。
継続事業の涸沼水鳥・湿地センターでは、ことし5月に建設工事2件を開札。公募型指名競争入札で行われた展示施設は山本工務店が2億4000万円、一般競争入札で行われた観察施設は1億3920万円で二輝建設がそれぞれ落札し、年度内の完成を目指す。
環境省が計画する涸沼水鳥・湿地センターは、15年に涸沼がラムサール条約に登録されたことを受け、地元などの要望により整備を計画した。19年度策定した基本構想・基本計画では、整備場所を涸沼北側の茨城町と南側の鉾田市の2カ所に設定。茨城町側には環境保全に関する普及啓発や学習、団体活動の拠点機能を中心とする展示施設を、鉾田市側には野鳥の観察や涸沼を展望する機能を重視した観察施設を設置し、「涸沼水鳥・湿地センター」として一体的に整備する。両市町では、関連事業として外構工事や付随する管理棟、トイレなどの整備を進めている。