[2023/6/27　千葉版]
　千葉県は24・25日、国道127号富津館山道路の4車線化に向けた都市計画の原案説明会を開いた。暫定2車線区間となっている富浦IC～富津竹岡IC間について、山側を基本に2車線増設する計画であることを明らかにした。都市計画変更とともに、環境影響評価の手続きを進め、早期の事業化を目指す。

　説明会では、県土整備部が概略計画に基づき、富津館山道路の位置や規模、構造などを定めた都市計画の原案を説明した。暫定2車線で供用されている富浦IC(南房総市)～富津竹岡IC(富津市)間で4車線化を進めていく。事業規模は延長20・2kmとなっている。

　すでに供用されている道路の改築となり、既設ICや構造物の移動が難しいことから、ルートは既存道路に沿った計画とする。山側を基本に2車線増設する方針だ。既存道路と類似した地形であることが想定されるため、地表式(盛土・切土構造)や嵩上式(高架構造)、地下式(トンネル構造)などの道路構造は既存道路と同様の構造で計画している。

　富浦ICに接続する深名真倉線についても都市計画変更する。延長800m区間を追加し、館山市側の延長300m区間を線形変更する方針だ。

　今後、都市計画案の公告・縦覧や県都市計画審議会などを経て、都市計画決定となる運び。併せて、環境影響評価を進めていく。

　県土整備部は、都市計画変更や環境アセスメントなどの手続きが完了次第、国に働きかけながら、速やかに事業化したい考えを示した。

　原案説明会は7月1日に富津市市民会館、7月2日に鋸南町中央公民館でもそれぞれ開催する。

　富津市竹岡～南房総市富浦間は、一般国道の自動車専用道路「富津館山道路」として、暫定2車線で供用している。2019年3月に富津竹岡IC～富津金谷IC間の一部区間3・4kmで、NEXCO東日本による付加車線設置が事業認可された。

　19年9月に国土交通省道路局が公表した「高速道路における安全・安心基本計画」では、全線が4車線化の優先整備区間に選定されている。安全で円滑な交通を確保し、防災力を強化するため、早期の全線4車線化が求められている。