新湾岸道路の具体化へ 検討会準備会が発足(関東整備局ら)
新湾岸道路検討会準備会の初会合が21日、千葉市内で開かれた。東京湾岸地域の慢性的な渋滞解消を目指す新湾岸道路の計画具体化に向けて、計画段階評価に着手するため、検討体制を構築することを確認した。今後、概略ルートや構造の検討が本格化する見通しだ。
準備会は関東地方整備局や県、沿線6市、NEXCO東日本で構成。新湾岸道路の計画具体化を図るためのプロセスの妥当性確認や検証方法、地域とのコミュニケーション、意見の聴取方法などについて意見を交わす。座長に小島昌希千葉国道事務所長が就任した。
初会合では、湾岸地域の交通状況や道路整備を確認したほか、今後の進め方などを協議した。沿線市からは「地元の期待が非常に高い」「三番瀬への配慮を」「引き続き丁寧な議論で進めてほしい」などの意見が出されたという。
小島座長は「新湾岸道路の計画具体化にあたり、地域の生活環境や三番瀬への配慮をしつつ、広く関係者の意見を把握しながら、丁寧に合意形成を図る必要がある」と強調した。
湾岸地域には、国際拠点港湾の千葉港や多くの大型物流施設が集積しており、都心方面と本県を結ぶ幹線道路では、広範囲にわたり慢性的な交通渋滞が発生している。
このため、国や県、沿線市などで構成する県湾岸地区道路検討会で、2020年5月に「千葉県湾岸地域における規格の高い道路計画の基本方針」を策定した。
基本方針では、早期に整備効果を発揮できるよう、規格の高い道路として外環高谷JCT周辺から蘇我IC周辺・市原IC周辺までの湾岸部でルートの検討を進める方向性が示されている。
千葉国道事務所は「R5千葉国道管内湾岸地域道路網検討F4業務」を大日本コンサルタント・三菱総合研究所設計共同体(JV)に委託した。同業務では、「構想段階における道路計画策定プロセスガイドライン」に基づき、湾岸地域の交通分析や効果計測、比較検討・設計、コミュニケーションプロセスの設計などを担当する。履行期間は24年2月末まで。