測量や設計の発注へ 荒川 三箇工区の河川改修に着手(栃木県烏山土木)
[2023/6/20 栃木版]
県烏山土木事務所は、那須烏山市内で「一級河川荒川における河川改修計画に関する説明会」を開催した。地域住民に三箇工区の計画検討内容や今後の予定を説明し、出席者から事業を進めることについて了解を得た。これを受けて、同事務所では近く測量業務や設計業務を発注する考え。7月から業務を開始して、現況を測量して詳細な設計を策定し、2024年1月以降にも地元住民に詳細な河川計画を説明したいとしている。
荒川は、県北東部を流れる那珂川水系の一級河川で、東日本台風で堤防決壊や越水により甚大な被害が発生したことから、災害復旧助成事業で向田工区(延長1500m)と小倉・藤田工区(同4400m)の2区域の改良復旧を進めている。
新たに事業化する三箇工区は、この小倉・藤田工区の直上流に位置する。事業区間は藤田地区の藤田橋から小白井地区の青雲橋までの約3800m。この区間は、堤防の低い箇所や土砂の堆積があることから、これまでに越水などの被害が生じていた。
県ではこれまでも局所的な護岸整備を実施してきたが、抜本的な改修には至っていないため、小倉・藤田工区の災害復旧助成事業に続いて三箇工区の河川改修事業に着手し、堤防の嵩上げや河道掘削を行って河川断面を拡大し流下能力を向上させる。
同事務所によると、具体的には既存の堤防を概ね1m程度嵩上げし、堆積土砂を除去して全体的な断面を確保する。また、堤防の壊れやすい箇所では必要に応じて護岸も整備する。
堤防の嵩上げや堆積土砂の除去に伴い、排水樋管や取水堰も機能を確保するために必要に応じて改築し、道路橋もクリアランスを確保できない場合は改築する。この区間の計画高水流量は将来計画1500立方m/秒だが、今回は下流の状況から暫定1000立方m/秒で整備する。
どの箇所でどのような内容の整備を行うかは、このあと現況測量を実施し、それを基に詳細設計を策定して、流下能力を判定して決めていく考え。現況測量では、ドローンによる3次元データも作成する。
詳細設計の策定後は、1月ごろにも改めて詳細な河川計画の説明会を開催する予定。そのあと用地測量を行い、必要な用地を取得してから工事に着手する。
なお、荒川の向田工区と小倉・藤田工区の災害復旧助成事業は、24年度の事業完了を目指して整備を進めている。三箇工区は、この災害復旧助成事業に引き続いて河川改修を実施するため、本年から事業に着手する。