新焼却施設、年度内に処理方式選定へ(千葉県市原市)

[2023/6/9 千葉版]
 千葉県市原市は、新たな焼却施設の整備に向け、ごみ処理方式の検討を本格化する。このほど設置したごみ処理施設処理方式選定委員会(荒井喜久雄委員長)で、年度内に選定する方針だ。2024年度までに基本計画を策定し、32年度の稼働開始を目指す。併せて、県条例に基づく環境影響評価業務を2026年度にかけて委託する。

 本年度予算では、環境影響評価業務委託について、23~26年度に総額2億3772万円の継続費を設定。このほか、22年度からの継続事業となる施設整備基本計画策定支援業務の事業費や、処理方式選定委員会の費用を盛り込んだ。

 市原市ごみ処理施設処理方式選定委員会は学識経験者5人で構成。年度内に5回程度開催し、処理方式の選定を進めていく。建設技術研究所(千葉事務所・千葉市中央区)が担当している基本計画策定支援業務の中で、検討結果をとりまとめる方針だ。

 同業務では、将来排出量を踏まえ、施設規模や系列数(炉数)を設定する。ごみ処理に伴い発生する余熱を積極的に有効活用するため、場内熱利用方式や発電方式などを検討し、余熱利用計画をとりまとめる。

 建設予定地の規制や条件などを踏まえ、施設の配置計画や敷地内の車両動線計画を作成。付帯施設については、廃棄物処理施設の建設動向を踏まえ、環境学習や地域防災などの機能を検討する。準備作業から運営維持管理までの全体工程をとりまとめる。

 これらの検討結果に基づき、施設整備の概算事業費として建設コストや維持管理・運営コストを算定する。算定に当たっては、国内で実績のあるプラントメーカーを中心とした民間事業者に意見を聴き取る。

 PFI等導入可能性調査業務では▽事業手法の整理▽事業全体の枠組み(スキーム)の検討▽市場調査▽事業化シミュレーション(VFMの検討)▽事業手法の評価──などを実施する。履行期限は25年3月19日まで。

 同市で発生する可燃ごみは、福増クリーンセンターの第一工場と第二工場で焼却処理している。両工場とも老朽化が進んでおり、延命化工事などを施しているものの、第一工場は稼働から39年、第二工場は稼働から29年がそれぞれ経過している。

 八千代エンジニヤリング(千葉事務所・千葉市中央区)に委託した中長期整備方針等策定支援業務で、両工場ともに耐用年数を迎えることが判明したため、32年の供用開始を目指し、新たな焼却施設の整備を進めていく。

 現施設の処理能力は、第一工場が日量300t(100t×3基)、第二工場が日量220t(110t×2基)。炉の形式は全連続燃焼式焼却炉となっている。

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