整備手法はDBO候補 総事業費49億円 新給食センター基本計画(宮城県 亘理町)
[2023/6/7 宮城版]
亘理町は6日、町議会全員協議会で学校給食センターの整備基本計画案を説明した。計画には施設規模の検討や民間活力導入調査の結果を盛り込んでおり、事業手法は財政縮減効果の面からDBO(設計・建設・運営)方式を候補とした。調理能力は1日当たり2500食とし、建物規模は平屋約1400平方mを想定。現段階の概算総事業費は約49億円を試算した。2026年度の完成を目指す。
給食センターは移転建て替えを効率的・効果的に推進するため、基本計画を策定中。事業内容や建設用地、配置計画、配送計画などの検討と民間事業者のノウハウを活用できる手法について導入可能性調査を実施した。計画策定業務は日本工営都市空間(仙台支店・仙台市青葉区)が担当した。町議会6月定例会に関連議案を提出し、可決をもって策定となる。
新しい施設は、公共ゾーンとして位置付けている悠里地区の役場庁舎北東端の区画に建設を予定。学校給食衛生管理基準を満たし、児童・生徒数から1日当たり2500食の調理能力を持たせる。そのために必要な敷地面積は約5480平方mとし、建物は約1400平方m規模とした。
諸室は調理などを行う給食エリア(汚染・非汚染作業区域)と事務所エリア、設備機械室や駐車場といった付帯施設で構成。ドライシステムやHACCP(ハサップ)などにも対応させる。
事業手法は公設公営やPFI、リースなど5つの方式を比較検討し、調理機器メーカーや建設企業らのアンケート結果なども踏まえ、DBO方式を最適手法と位置付けた。財政縮減効果が約2.7%と最も高く、設計・建設から維持管理・運営まで包括的に発注することで民間事業者のノウハウを最大限生かせるメリットがある。
事業期間は15年間と設定。概算事業費は施設整備費が19億5800万円、維持管理・運営費が29億3000万円。これに加え既存施設の解体費を2968万8000円とした。
スケジュール案は、23年度下期から24年度上期にかけて事業者の募集・選定・契約を目指す。その後、事業者による基本・実施設計を進める。25年度上期の着工を見込む。
なお、既存施設は江下115に位置し、RC造平屋949平方mの規模で1972年に建設された。最大で1日当たり約4000食の調理能力があるものの、少子化に伴い現在は2700~2800食を提供する。築50年となり施設老朽化と調理機器の能力低下が進行し、また食育やアレルギー対応など多様化するニーズにも対応する新しい施設が求められている。