「ときめく宇都宮」に まちづくり・都市デザイン競技 国土交通大臣賞など決定
[2023/6/7 栃木版]
まちづくり月間全国的行事実行委員会と都市づくりパブリックデザインセンターが主催する「第25回(2022年)まちづくり・都市デザイン競技(コンペ)」で、国土交通大臣賞に大成建設の「ときめく宇都宮」が決定した。競技は「県都の玄関口にふさわしい風格を備えた未来都市うつのみやのまちづくり」をテーマとし、64グループが競技にエントリーして、最終的に提出された43作品の中から選ばれた。「ときめき」をキーワードに、街に高揚感をもたらして成熟型のまちづくりを図る内容で、審査員から「都市構造の分析、仕組みが丁寧に書き込まれている」などと高く評価された。
まちづくり・都市デザイン競技は、毎年6月の「まちづくり月間」の関連表彰の1つとして、地域にふさわしい整備構想とまちのデザインについての提案を広く一般から募り、活力があり、また美しい景観を備えたまちづくりを実現することを目的として、1998年度から毎年実施している。
第25回の競技は、全国公募に応募された候補地の中から、宇都宮市の玄関口として広域交通と域内交通の結節する交通の要衝に位置するとともに、政治・経済・文化の中心として発展してきた都心部地区への玄関口でもある「宇都宮駅西口周辺地区」(約25ha)を選定した。
競技課題は、宇都宮市が目指す「子どもから高齢者まで、誰もが豊かで便利に安心して暮らすことができ、夢や希望がかなうまち『スーパースマートシティ』」の実現に向けて▽宇都宮の都市構造の成り立ちやエリアの特性、宇都宮駅西口周辺地区における課題の解消に配慮した、対象地区の将来像及びまちづくりのコンセプト▽その実現に向けて必要と考えられる機能の配置(行政・民間など)や、整備・活用のアイデア及び整備手法-の2点について、10~20年後を見据えた提案を募集した。
審査は審査委員会(委員長:西村幸夫國學院大學教授、東京大学名誉教授)が3月14日に実施し、国土交通大臣賞に大成建設の「ときめく宇都宮」、まちづくり・都市デザイン競技審査委員会賞に三菱地所設計都市開発マネジメント部の「Utsunomiya Asobi-basm」、都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞にプランテックの「共有経済都市-うつのみや駅西自治区」、奨励賞に日建設計都市・社会基盤部門の「Combine Utsunomiya」と新潟大学大学院自然科学研究科環境科学専攻都市計画研究室の「USの宇都宮」、宇都宮市長特別賞に中央復建コンサルタンツの「MULTI-CYCLE&INTERPLAY-文化的な宇都宮へ」を選定した。
国土交通大臣賞を受賞した「ときめく宇都宮」は、JR駅西口を「ときめきスクエア」へと再編するほか、水辺空間を再編して生み出すオープンスペース「田川パーク」や、交通結節点機能と滞留空間を融合させた駅前広場、交流からビジネスを生み出すイノベーション拠点などを提案した。
審査員は「都市構造の分析、仕組みが丁寧に書き込まれている。駅広場全体を多様な場としている点が、アーバンデザインとして高く評価された。デザインの実現にあたっての具体的な仕組みが提案されているとともに、地区内のエリア分けや景観形成など、作品全体が高いレベルでまとめられ、バランス良く仕上がっている」や「まちなかで発見・愛着・共感を深めてまちづくりにつなげていくアイデアが面白い」などと講評した。