大雨災害、建設業が対応に奔走 一宮川で土のう設置(千葉県)
台風や前線の影響で、千葉県内でも2日から3日午前にかけて大雨となり、県内各地で道路冠水などの被害が発生した。地域の安全・安心を守るため、地元建設業者は災害対応を優先し、倒木の処理や冠水対策などに奔走した。茂原市街地では一宮川からの越水を防ぐため、土のうの設置に取り組んだ。
県は、2日午後4時8分に大雨警報が発令されたため、情報収集体制に移行。雨が強くなり、土砂災害警戒情報が発表される可能性があることから、午後10時に災害即応体制を敷いた。
県土整備部では、各土木事務所がパトロールを実施し、県建設業協会(高橋順一会長)の支部とともに情報収集にあたった。
大雨による冠水により、松戸野田線、柏印西線、船橋我孫子線、我孫子関宿線、横芝下総線、山田台大網白里線、北柏停車線の各県道で全面通行止めを実施。国道2カ所、県道6カ所で異常気象による事前通行止めを行った。手賀沼自然ふれあい緑道でも緑道内が冠水したため、通行止めを実施している。
長生支部では2日、2019年10月の豪雨で甚大な浸水被害を受けた茂原市街地で、一宮川からの越水を防ぐため、土のうの設置作業を進めた。災害協定に基づく、県一宮川改修事務所の協力要請を受け、会員企業17社が参加した。
浸水対策の護岸改修工事が進められている八千代地区では、工事で一時的に撤去していた大型土のう200~300袋をクレーン車で設置。小型土のう約3000袋を用意し、必要箇所に土のうを積み上げ、大雨に備えた。
県内の被害状況をみると、住家被害は一部損壊2棟、床上浸水3棟、床下浸水11棟。ライフライン関係では、流域下水道のマンホール3カ所で損傷が見つかった。
県建設業協会は、県と「地震・風水害・その他の災害応急対策に関する業務基本協定」を締結。土木事務所からの要請により、各支部は発災直後から県が管理する道路や河川などの公共土木施設の被害状況の調査、道路の通行を規制する看板設置などの安全措置、道路の応急工事を実施し、二次災害の防止や迅速な災害復旧に貢献している。