商業施設や広場導入へ 年明けに民間事業者プロポ(空港周辺の地域活性化宮城県 岩沼市・宮城県)

[2023/6/3 宮城版]

全員協議会で示されたゾーニング案。北側の滑走路に近接する眺望を生かした配置となっている

全員協議会で示されたゾーニング案。北側の滑走路に近接する眺望を生かした配置となっている

 岩沼市は県と連携し、仙台空港周辺に民設民営による地域活性化施設の整備を検討しており、2024年の年明けにも事業者を選定するプロポーザルを開始する。計画地は仙台空港フロンティアパーク内で、臨空の立地を生かし、空港利用者や飛行機を見に来る家族連れなどをターゲットに、飲食・物販機能や広場などを導入した施設とすることで、空港周辺のにぎわい創出と新たな魅力作りを目指したい考え。24年度内に事業者の選定・契約を進める見通し。

 同施設を巡っては、県と市が検討委員会を立ち上げ、市物産協会推薦の企業や仙台国際空港らメンバーと検討を重ねてきた。計画地周辺の状況分析や企業・地元アンケートなどを基に議論し、このほど民設民営による事業実施を可能とする報告が上がった。導入想定施設なども盛り込まれており、市はこれをベースに基本計画を策定する考えで、2日に岩沼市の議員全員協議会で概要を説明した。

 説明によると、仙台空港周辺活性化施設は、県土地開発公社が所有するフロンティアパーク(空港西1丁目)内の約3.5haを計画地とする。施設利用のターゲットは、国内外の空港利用者や、飛行機を見に来る家族連れなどの近県・県内来訪者、周辺工業団地の従業員、大型車両ドライバーなど。

 導入すべきとした機能は▽飲食▽物販▽商業▽遊戯▽温浴▽広場▽ターミナル──といった施設。これらを踏まえ、参考として滑走路側となる敷地北側に広場、中央に飲食・物販・温浴施設等が入る地域活性化施設と、別棟で商業施設、そして南側に駐車場を置くゾーニング案が示された。地域活性化施設のイメージは2階建て(延べ5300平方m程度)とし、1階を食堂や物販、遊戯施設などのにぎわい空間とし、2階には温浴施設やレストランといった機能を配置して臨空の眺望を生かす。

 全協では議員からアクセス性や雇用、展望台の必要性といった意見が出ており、これらも踏まえ基本計画を6~7月ごろに策定する見通し。今回示された導入施設や機能は事業目的に沿った求められる最低限の条件。民間事業者のノウハウが生かせるよう自由度を設け、今後選定される事業者の提案を基に固めていくことになる。

 基本計画の策定後、市は本年末までにプロポの仕様書を作成し、年明け以降に事業者の公募開始を目指す。想定スケジュールは、半年ほどかけて選定し、24年12月ごろの契約締結とし、25年1月から事業者に設計を進めてもらう想定。建設工事は同年度後半の着手となりそうだ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.