拡張用地の取得へ 公設市場 再整備工事費に5億円(水戸市)
[2023/5/30 茨城版]
水戸市は市公設地方卸売市場の再整備を進めている。本年度はI期の施設整備工事費に5億円を確保し、水産定温買荷保管積込所設備更新工事や水産棟照明改修工事などを行う。また、II期計画に向けて、拡張用地6haの取得や造成設計などに取り組む。II期計画の工事については、24年度から実施する見通しとなっている。
市公設地方卸売市場は、1971年の開場以来、生鮮食料品などの経済・流通拠点として、産地と消費者をつなぐ重要な役割を担っている。また、地方卸売市場として、取扱高日本一の実績を誇る。しかしその一方、人口減少や流通形態の多様化など、卸売市場を取り巻く環境は厳しい状況にある。そこで市は、時代の要請の的確に対応するため、18年度に市場関係者との協働で再整備計画を策定した。
この計画では期間を区分した実施計画を策定し、19年度から23年度までをI期計画、24年度から28年度までをII期計画と位置付けて事業を進めている。
このうち、II期計画では、拡張用地の整備を中心に事業を進めていく。拡張の対象は、既存敷地の北側の6haとなり、合計で22haの敷地を有することになる。将来的には同地で大規模な建て替えを計画しているが、当面の間は荷捌所や倉庫を整備する予定だという。
本年度の事業費として、拡張用地整備費に1億3570万円を確保。内訳は、造成設計や土地評価委託料に1400万円、用地補償に1億2050万円、不動産鑑定手数料に120万円を配分する。公設地方卸売市場の拡張には、都市計画の区域変更が必要となるため、市では各種手続きを進めている。本年度は市都市計画審議会や県知事協議などを実施する。
一方、I期計画では、生鮮食料品の安全・安心を確保するうえで必要となる既存施設の維持更新と機能強化を進めている。これまでに冷蔵庫の改築や荷捌所、非常用電源設備の整備、庇の増設、防鳥ネットの設置、トイレの改修などを実施してきた。
本年度の事業費には、施設再整備費として5億2200万円を計上。内訳は工事費に5億円を確保し、水産低温買荷保管積込所設備更新工事や水産棟照明改修工事ほか17工事を予定する。委託料には2200万円を配分。消防設備更新設計や中央棟エレベーター設計ほか2業務の委託を行う見通しとなる。
以下、本年度に予定する公設卸売市場関連工事の発注見通しは次の通り(▽工事名=[1]種別[2]入札方法[3]工事概要[4]工期[5]発注時期)。
▽青果部配送センター防鳥ネット設置工事=[1]とび[2]指名競争[3]防鳥ネット設置1500平方m[4]4カ月[5]第2四半期
▽水産棟東側防火水槽撤去・復旧工事=[1]土木[2]指名競争[3]防火水槽撤去一式、舗装一式[4]4カ月[5]第3四半期
▽水産低温買荷保管積込所分電盤改修工事=[1]電気[2]一般競争[3]分電盤改修一式[4]4カ月[5]第3四半期
▽花き棟南側駐車場舗装改修工事=[1]舗装[2]一般競争[3]舗装2800平方m[4]6カ月[5]第2四半期
▽喫煙所設置工事=[1]建築[2]指名競争[3]屋外喫煙所設置2カ所[4]3カ月[5]第3四半期
▽水産棟照明改修工事=[1]電気[2]一般競争[3]電気設備工事一式[4]6カ月[5]第1四半期
▽水産棟防鳥ネット設置工事=[1]とび[2]一般競争[3]照明改修に伴う防鳥ネット設置工事一式[4]6カ月[5]第1四半期
▽中央棟変電所改修(II期)工事=[1]電気[2]一般競争[3]電気設備工事一式[4]5カ月[5]第1四半期(公告済、開札日は6月6日予定)
▽中央棟および水産低温買荷保管積込所トイレ改修工事=[1]建築[2]一般競争[3]建築工事一式[4]6カ月[5]第2四半期
▽中央棟および水産低温買荷保管積込所トイレ改修電気設備工事=[1]電気[2]指名競争[3]電気設備工事一式[4]6カ月[5]第2四半期
▽中央棟および水産低温買荷保管積込所トイレ改修機械設備工事=[1]管[2]一般競争[3]機械設備工事一式[4]6カ月[5]第2四半期
▽花き棟オーバースライダー改修工事=[1]建築[2]一般競争[3]建具工事一式[4]6カ月[5]第2四半期
▽水産低温買荷保管積込所シャッター等更新(I期)工事=[1]建築[2]一般競争[3]シートシャッター・オーバースライダー・ドックシェルター更新一式[4]10カ月[5]第3四半期