気仙沼漁港に新岸壁 詳細設計を6月公告へ 本年度から5カ年で整備(宮城県気仙沼振興)
[2023/5/17 宮城版]
県気仙沼地方振興事務所は、気仙沼漁港にマイナス7.5mの新岸壁を整備するため、本年度に詳細設計業務を委託する。新岸壁は本年度から5カ年かけて整備するため、来年度から工事を進める予定だ。計画段階では概算事業費が42億円だが、岸壁の構造や断面、埋め立てを含めた施工計画もまだ決まっていないため、今後に変更になる可能性がある。
新岸壁を整備するのは気仙沼市潮見町他で、気仙沼市魚市場の南端から、既存の商港岸壁の北端までに至る区間。ここの海面を埋め立て、水深7.5mの新岸壁を整備して既存岸壁に擦り付ける。対象延長は既存岸壁への影響分を含め334m。埋め立ての対象面積は7600平方mを計画している。
岸壁の詳細設計業務は、6月に一般競争入札を公告する予定。測量やボーリング調査なども含む業務で、概算規模が1億円。履行期間は約8カ月を見込んでいる。
事業費は水産庁の水産流通基盤整備事業を活用する。補助率は国費が2分の1で、それ以外の県や市が2分1。県は2分の1の20%を負担する。
新岸壁の整備目的は、漁船の大型化への対応で、主に大型巻網漁船が気仙沼漁港へも入港して水揚げできるようにすること。同漁港の既存岸壁はマイナス6mとなっている。
過去には新岸壁の整備に向けて概略設計に着手したこともあるが、東日本大震災の復旧・復興事業を優先させるために手を付けられないでいた。気仙沼市の第2次総合計画基本構想・後期基本計画(2021~26年度)にも、挑戦し続ける産業のまちに向けて、水深7.5m以深の岸壁整備を目指すことが盛り込まれている。