本体工事は24年度 新設中学の基本設計案を公表(つくばみらい市)

[2023/5/12 茨城版]
 つくばみらい市は1日、みらい平地区新設中学校建設工事の基本設計概要書を公表した。概要書によると、コンセプトに「学校全体が学びの場となる空間づくりで、新しい時代の学びを実現」を掲げ、その実現に向けて、「みらいコモンズ」と「ユニット型教室」を提案。また、新設校は校舎棟と体育館が一体となった施設として整備していく。さらに、大規模校でありながら落ち着きを与えることを目的に、緩やかな弧を描く配置を提案している。今後は年度内に基本・実施設計を策定し、24年度から本体工事に着手する見通しだ。なお、市ではパブリックコメントを実施し、新設校の基本設計に対する意見を31日まで募集している。

 この事業はみらい平地区における人口の急激な増加を受けて、近い将来、既存の中学校では対応できなくなるおそれがあることから、新設中学校を整備するもの。定員は約1500人とし、1学年15クラスの計45クラス程度の規模を想定する。建設場所は富士見ヶ丘地内の用地2万9933平方mとなる。なお、基本・実施設計は佐藤総合計画・andHAND建築設計事務所JVが担当する。

 施設のコンセプトは「学校全体が学びの場となる空間づくりで、新しい時代の学びを実現」を掲げる。新学習指導要領で示された新しい時代の学びを実現するため、学びと交流のシンボル空間「みらいコモンズ」と、さまざまな学習形式にフレキシブルに対応できる「ユニット型教室」を提案している。

 みらいコモンズは、▽学びの中心「ラーニングコモンズ」▽深める空間「STEAMコモンズ」▽伝える空間「ステップコモンズ」──で構成する。このうち、ラーニングコモンズは学校の中央に配置し、気軽に触れられるオープンな図書室として整備する。また、ステップコモンズは図書室に隣接した場所に生徒が座ることができる大階段として配置。憩いの場としてだけでなく、発表・発信の舞台や、部活動の練習場としても活用できることを提案している。

 ユニット型教室では、普通教室3クラスごとにユニット化する。ユニット内では一斉授業やグループワーク、異なる形態の授業などを展開。1ユニットで100人程度のまとまりをつくることで、大規模校でありながら、落ち着きと安心感のある学習・生活環境の確保を目指すとした。

 配置図をみると、敷地の北側に校舎棟と体育館が一体となった施設として整備する。構造・規模は、校舎棟がRC造4階建て、延べ1万4101平方m、体育館がSRC造平屋1774平方mとなる。敷地の南東側にはプール棟(RC造2階建て、延べ1602平方m)を設置。プールは2階部分に配置し、1階部分は駐輪場として活用する。なお、駐輪場は全生徒が活用できるよう1500台分の駐輪スペースを確保した。

 敷地の南側にはグラウンドを配置。校舎棟を円弧状に傾けることで広い面積を確保。200mトラックや100m走路、野球場、サッカーコート、テニスコートなどに対応可能となっている。

 今後のスケジュールとしては、パブリックコメントで市民の意見を踏まえたうえで基本設計を策定する。その後、実施設計に着手し、年度内の策定を目指していく。

 工事については当初、24年度に造成工事、25-26年度に本体工事を実施することを計画していた。しかし、基本設計が大規模な造成工事を必要としない提案となっているため、当初の計画を変更し、24年度から3カ年で本体工事を実施することになった。開校時期は、順当に行けば27年4月になる見通しだ。

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