輪中堤の整備など想定 北上川で事業計画検討(北上川下流)
[2023/5/9 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、北上川下流の狭あい部3カ所で治水対策を実施する。3カ所はいずれも登米市東和町内で、うち2カ所は河川堤防がないため輪中堤の整備を想定している。もう1カ所は既設堤防のかさ上げや拡幅を検討する。3カ所の治水対策に向けては、本年度に事業計画検討業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。8日付でプロポの手続きを公告した。
治水対策を予定している3カ所は、東和町錦織中畑、錦織川端、錦織二良根。このうち中畑(大清水)地区は河川堤防があるものの、残り2地区がない状況となっている。
いずれも岩手県との県境近くに位置し、山に囲まれていて川幅が狭い。対象延長はそれぞれ約1kmで、延べ約3kmとなる。堤防がない2カ所は、輪中堤で家屋を優先的に守ることを考えている。
8日付でプロポを公告したのは、件名が「北上川下流狭隘部事業計画検討業務」。北上川下流の狭あい部3カ所において、治水対策の基本方針や事業手法などを整理し、事業計画を検討する。主に事業手法の妥当性を見極める。履行期間は2024年2月29日まで。
プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。6月5日まで参加表明書や技術提案書を受け付ける。
プロポで技術提案を求める評価テーマは「狭あい地区における流域治水を視野に入れた連続堤に拠らない治水対策を検討する上での留意点」となっている。