鉄建建設JVに決定 南摩ダム観光施設 設計施工の契約候補者(県自然環境課)
[2023/5/9 栃木版]
県自然環境課は8日、「水と緑の南摩の里」整備事業の契約候補者を公表した。事業者選定委員会が応募者から提出された企画提案書およびプレゼンテーション・ヒアリングの内容などを総合的に審査して、契約候補者に鉄建建設・猪股建設・フジヤマ・安藤設計共同企業体を決定した。県議会で設計施工一括契約の議決を得たあと、6月にも本締結を締結し、25年1月31日までの期間で対象施設の設計と建設を行う。基準価格(提案上限額)は12億9204万9000円(税込)に設定していた。
事業者選定の公募型プロポーザルは、設計施工一括発注方式(デザインビルド方式)を採用し、「設計施工共同企業体」として同者1者のみが応募した。審査の結果、同者の提案は総合評価点100点満点中81.2点を獲得し、優先交渉権者となったため契約候補者に決定した。
選定委員会では、「工期内の完成に向けて、きめ細かな工程管理を行ってほしい」や「自然景観に配慮した施設とし、県産木材を積極的に採用してほしい」、「安全かつ快適に利用できる施設となるよう利用者目線での設計・施工を望む」などの意見が出ていた。
この事業は、04年度に策定した「南摩ダム水源地域整備計画」に基づき、ダム湖の周辺地域にアクティビティ施設等を整備することで、地域住民のレクリエーションの場とするとともに観光資源としての魅力を高め、水源地域の活性化を図ることを目的とする。
主な施設は、建築施設がビジターセンター、広場・駐車場およびその関連施設(設備含む)、基盤施設が園路・管理用通路、法面保護工およびその関連施設、アクティビティ施設が吊り橋アクティビティ施設、ジップライン、アスレチック施設および関連施設とする。
施設はアクティビティゾーンと森林体験ゾーンで構成され、アクティビティゾーンでは湖面上のジップラインや森林アスレチックを設けて集客施設(収益施設)とする。また森林体験ゾーンは、森林風景や体験を楽しめる遊歩道・広場を整備することで、来訪者に癒しの空間を提供する。
アクティビティゾーンの主要施設を見ると、ダム管理棟敷地にはビジターセンター(建築面積180平方m)、外構・駐車場(約1200平方m)、吊り橋アクティビティ施設(全長170m)、ジップライン[1](全長170m)、園路・管理用道路(約70m)、法面保護工(約430平方m)を設ける。
また、ダム管理棟上流尾根にはアスレチック施設(約1500平方m)、ジップライン[2](全長370m)、ジップラインタワー(高さ約18m)、園路・管理用道路(約100m)、法面保護工(約2200平方m)を、対岸(右岸)尾根にはジップライン[3](全長440m)、ジップラインタワー(高さ約24m)、園路・管理用道路(約140m)、法面保護工(約1500平方m)、および広場(約1000平方m)を設ける。
森林体験ゾーンの主要施設は、森林体験園路(約580m)、管理用道路(約410m)、段々畑広場(約3700平方m)、広場(約3700平方m)、自然観察エリア(約2600平方m)、森林体験エリア(約1万8000平方m)、整地・伐開(約8000平方m)としている。
事業者の業務範囲は、施設の設計や建設に係る業務、および工事監理業務とする。施設のアクティビティゾーンの維持管理業務と運営業務には指定管理者制度を適用する予定で、指定管理予定者にフォレスフィール(栃木市、山口哲生代表取締役)を選定している。
今後は6月に選定事業者と設計施工一括契約を締結したあと、25年1月末までの期限で設計および建設工事を実施する。25年1月末に施設の引渡しを受け、翌2月から3月末にかけて開業準備を実施し、25年4月の供用開始を目指す。