吉田川流域の農業用施設 排水機場6カ所を新設 増設1カ所含め概略設計(北上土地改良)

[2023/4/29 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、吉田川流域地区に農業用の排水機場を6カ所新設し、既存の排水機場を1カ所増設する計画だ。新設する6カ所のうち、5カ所は既存の排水機場を統合する形で整備し、残り1カ所は純粋に新設する。新設と増設に向けた概略設計業務は2件に分割し、統合関連を簡易公募型競争入札、純粋な新設と増設関連を一般競争入札で委託する。28日付で2件の入札手続きを公告した。

 統合して新設する排水機の排水能力(毎秒)は、中井排水機場と浅井排水機場の1カ所で5.7立方m、前浦排水機場と藤ノ巻排水機場の1カ所で7.8立方m、不来内排水機場と幡谷排水機場と弥勒堂排水機場の1カ所で10.1立方m、後谷地排水機場と中村排水機場の1カ所で9.6立方m、三ケ内排水機場と桧和田排水機場の1カ所で10.3立方mとなる。

 この11カ所を5カ所に統合再編するに当たり、国営土地改良事業地区調査として「吉田川流域地区統合排水機場概略設計その他業務」を簡易公募型競争入札で委託する。概略設計では、現地調査、統合排水機場と排水路の概略設計、段階的整備手順の検討などを行う。

 併せて、機能診断業務として現地踏査と踏査結果の整理、健全度評価などを実施する。

 入札の日程は、5月16日まで参加表明書を受け付け、同23日に選定結果を通知した後、同24日~6月13日に総合評価の技術提案書、6月7~13日(郵送の場合は6月12日まで)に入札書を受け付け、6月26日に開札する。

 これとは別に、地区内に新設する1カ所と増築する1カ所について、同じ国営土地改良事業地区調査として「吉田川流域地区排水機場概略設計その他業務」を一般競争入札で委託する。

 新設するのは品井沼排水機場で排水能力が毎秒14.3立方m。増設は志田谷地排水機場で同10立方mを確保する。業務では事業計画書案の作成に向けて排水機場や排水路の概略設計をまとめるとともに、概算事業費の算定を行う。

 入札の日程は5月8~22日に参加申請書、6月6~12日に総合評価の技術提案書や入札書を受け付け、6月27日に開札する。

 2件とも入札の参加資格は東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。業務の履行期間は2024年2月29日まで。

 吉田川流域では、2019年の東日本台風による被害などを踏まえ、内水排除に必要な排水施設のあり方を検討している。県営事業などで整備された排水機場などがあるものの、排水能力の増強や統廃合なども視野に、国営事業による排水機場の増設または新設などを進める考え。

 対象地域は東松島市、大崎市、松島町、大和町、大郷町の2市3町。昨年度は事業構想の検討業務をサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託し、流域全体を対象とした排水解析の精査などを行った。

 本年度は環境配慮基本方針案の作成その他業務をジルコ(東北支社・仙台市青葉区)、費用対効果算定その他業務を東北エンジニアリング(仙台市青葉区)に委託するほか、7月ごろに排水機場他測量業務や、排水機場地点地質調査業務、水管理システム基本設計その他業務を一般競争入札で委託する見通し。

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