基本設計を公告 IT短大機能強化で新棟建設(県営繕課)
[2023/4/29 茨城版]
県営繕課は20日、「(仮)産業技術大学校新棟新築工事基本・実施設計委託(第5-34-91号)」の一般競争・電子入札を公告した。開札日は6月20日で、予定価格は1億0868万円、工期は24年3月20日に設定。入札参加形態は2者JVとし、入札参加申請は5月11日から15日まで受け付ける。新棟の規模はRC造またはS造3階建て、延べ4800平方m程度とし、予定工事費は税込23億1500万円と試算した。年度内に基本・実施設計をまとめ、24-25年度の2カ年で新築工事を行う見通しとなっている。
県立産業技術短期大学校(IT短大)は05年の開校以来、即戦力となるIT人材を育成し、県内企業の人材確保に寄与してきた。しかし、近年のデジタル化の進展により、IT人材の需要が増加し、質と量の両面から人材不足の声が上がっているという。そこで県では、22年8月に外部有識者らで構成する検討会を設置し、IT短大の機能強化に向けた協議を進めてきた。
検討の結果、IT短大の大学化を決定した。その際には現在の専門課程2年に、新たに応用課程2年を設置することで対応する。4年間でより高度な人材を育成することを目標に掲げた。あわせて、専門課程の定員を増員し、企業の人材ニーズに対応するとした。
大学校化に向けたハード面の整備としては、新たに新棟を整備していく。これは大学校化に伴い、定員が現行の120人から320人に増員することに対応するため、施設を増築することになった。建設地は敷地内に位置する駐車場の一部の敷地(4560平方m)を活用していく。また、大学校化にあわせて、既存の施設(管理棟延べ3500平方m、実習棟延べ180平方m)の改修も行う。
今回公告となったのは新棟部分の基本・実施設計となる。新施設の構造・規模はRC造またはS造3階建て、延べ4800平方m程度を想定。内部には普通教室(810平方m)や特別教室(1895平方m)、管理関係(692平方m)、共用部(1385平方m)などを整備する。予定工事費は税込で約23億1500万円と試算している。
入札参加形態は2者JVに設定。すべての構成員の参加資格では、茨城県内に本店を有し、一級建築士事務所の登録を受け、建築関係建設コンサルタント業務の認定を受けていることなどを求めている。
また、代表構成員には一級建築士の数が3人以上であることも参加資格となる。履行実績では、03年4月1日から23年3月31日の間に完了した同種または類似の設計業務を元請けとして実施したことが求められる。なお、同種業務はRC造(SRC造含む)またはS造で、階数が3階以上、延べ2400平方m以上の公共職業能力開発施設または学校の設計業務、類似業務はRC造(SRC造含む)またはS造で、階数が3階以上、延べ3600平方m以上の建築物の設計業務となる。
IT短大整備関連では新棟の基本・実施設計に加え、地質調査を予定する。これは建設予定地である駐車場の地盤が弱い可能性があるために調査を行う。業務は近く営繕課から発注する予定だ。また、既存施設の改修内容については、新棟整備の進捗を踏まえながら検討していくという。
今後のスケジュールとしては、年度内に地質調査と基本・実施設計をまとめ、24年度から2カ年で工事を行う。まずは駐車場整備などの外構工事を実施し、その後に本体工事に着手する見通し。大学校の開校時期は26年度を予定している。