栃木芳賀で草地整備など 事業計画 畜産基盤整備5地区に5億円(栃木県農業振興公社)
[2023/4/26 栃木版]
県農業振興公社(青柳俊明理事長)の2023年度の事業計画によると、本年度は畜産・農用地等基盤整備事業に22年度の繰越分も含めて5億3787万円を予算化した。昨年度に着手した栃木芳賀地区で草地整備工事や牛舎建築工事などの発注を予定するほか、那須高原牧場地区では公共牧場の2施設の草地整備工事などを計画する。このほか、大田原・那須地区と那須塩原地区で22年度繰越分を施工して事業完了を目指すとともに、新規事業地区1地区の計画策定の受託を見込んでいる。
新規1地区で事業計画策定
公益目的事業のうち、畜産・農用地等基盤整備事業では生産性の高い畜産経営の確立を図るため、畜産担い手育成総合整備事業を実施する。畜産が主要産業の地域で、自給飼料の確保に向け草地の造成整備を行うとともに、畜舎の新設や家畜排せつ物処理施設、鳥獣被害防止柵などの整備を行い、畜産農家の育成と経営の安定化を図る。
本年度は、大田原・那須地区と那須高原地区で22年度の繰越工事を施工して事業の完了を図るほか、那須高原牧場地区や昨年度から事業に着手した栃木芳賀地区を推進する。あわせて、新規事業地区1地区の計画策定を受託する見通しとなっている。
昨年度に着手した栃木芳賀地区は本年度、2億7890万円を予算化した。22年度の繰越分で市貝町に飼料畑整備5.0haと堆肥舎1棟を整備するほか、23年度分でも真岡市と茂木町、市貝町、芳賀町で飼料畑造成3.8haと飼料畑整備17.6ha、施設用地造成0.8ha、牛舎3棟、堆肥舎3棟、乾燥・発酵舎1棟を施工する。
この事業は、真岡市・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町の70.16haを対象に全体で▽草地等造成改良17.5ha▽草地等整備改良50ha▽施設用地造成整2.66ha▽鳥獣被害防止施設延長900m▽隔障物(牧柵)延長1200m▽家畜保護施設整備9棟▽家畜排せつ物処理施設整備20棟▽飼料調整貯蔵施設整備1棟▽水質汚染防止施設1式-などを計画する。経営体は16人で、事業期間は22年度から26年度、全体事業費は9億9800万円としている。
本年度の工事は、市貝町の草地整備工事と真岡市の草地整備工事、芳賀町の草地整備工事、茂木町の鳥獣被害防止柵工事、真岡市の育成舎および堆肥舎の建築工事、真岡市の牛舎(成舎、育成舎)および堆肥舎の建築工事、真岡市の堆肥舎の建築工事の、あわせて7工区に分割して発注する見通しとなっている。
20年度に事業に着手した那須高原牧場地区は、22年度繰越分で那須町の草地整備10.1haと鳥獣被害防止柵2185mと、23年度分で大田原市と那須町の草地整備31.0haと鳥獣被害防止柵1800m、隔障物整備2100mを計画し、事業費に1億4203万円を予算化した。工事は大野牧場の牧柵整備および草地整備と、共同利用模範牧場のイノシシ柵整備および草地整備の2件に分割し、いずれも第1四半期の発注を予定する。
この地区は、大田原市の大野牧場と那須町の共同利用模範牧場のいずれも公共牧場2施設が対象で、全体計画は▽草地等造成改良2ha▽草地整備改良100ha▽鳥獣被害防止施設延長8000m▽雑用水施設整備5カ所▽家畜保護施設整備3棟▽家畜排せつ物処理施設整備1棟▽隔障物(牧柵)延長7200m-などを整備する。事業期間は20年度から24年度までで、全体事業費は7億0200万円となっている。
なお大田原・那須地区は、22年度の繰越分で那須町に施設用地造成0.54haと牛舎1棟、堆肥舎1棟を整備することから、8901万円を計上する。また那須塩原地区は、22年度繰越分で1891万円を計上し、那須塩原市に飼料畑造成6.9haと糞尿処理設備1式を整備する。新規事業地区の計画策定には、900万円を予算化する。
このほか、公益目的事業のとちぎ花センター管理運営等事業は、鑑賞大温室・展示温室ほか建物15棟6392平方m、花壇など敷地2.7haのを指定管理事業で管理。なかがわ水遊園管理運営等事業でも、管理建物でおもしろ魚館(展示ゾーン及び体験交流ゾーン)の約6000平方m、公園施設で芝生広場・お魚ふれあいステーション・水の広場・公園サービスステーションの約2.5haを管理する。