子ども科学館改修など 建築事業 160件の132億円を受託(栃木県建築課)

[2023/4/25 栃木版]

 県建築課は、2023年度の建築事業計画概要明らかにした。それによると、各部局から設計・監理などの業務委託で65件4億7100万円、工事で95件127億6500万円の、計160件132億3600万円を受託する。主な工事は、子ども総合科学館本館の改修や県営若草住宅の建て替え、とちぎ健康の森本館の改修、元県体育館の解体など。このほか県立学校施設長寿命化保全計画第II期中期計画に基づき、県立高校や特別支援学校の施設改修の一部を教育委員会から受託する。

 本年度の全体的な傾向としては、前年度に引き続き県有施設や学校施設の長寿命化対策が多く、経営管理部や教育委員会事務局から受託する案件の多くがこれにあたる。受託事業は本年度、160件132億3600万円を予定。前年度当初で計画した154件の167億5352万円と比べ、件数は6件増加した一方金額は35億1752万円(21%)減少したが、継続費の年度割り額や前年度からの繰り越しなどの影響と見られる。

 主な工事を見ると、子ども総合科学館(宇都宮市西川田町)は展示物の大規模なリニューアルとあわせて、本館の屋根・防水などの改修や省エネ設備の整備、特定天井の落下防止改修を実施する。本館はSRC造2階建て、延べ面積1万平方mの規模で、開館から34年が経過して老朽化が進行していた。

 工事は第1四半期にも、建築や電気設備、管に分離して発注する方向で調整中。当初予算では本館の屋根・防水などの改修に2カ年で20億6795万円、省エネ設備整備に2カ年で1億2855万円、特定天井落下防止改修に2カ年で4億0446万円の継続費を設定している。なお展示物のリニューアルは、このほど一般競争入札で乃村工藝社(本社・東京都港区)が落札している。

 県営若草住宅の建替事業は、本年度からまず住棟1棟の新築工事に着手する。規模はRC造8階建て延べ6913平方mで、基本・実施設計はAIS総合設計(宇都宮市)が担当。こちらも分離発注する方向で、第1四半期の発注を予定する。

 既存の住宅は1962~64年度に建設され、老朽化が著しくエレベータも未設置の状況。このため入居者の安全を確保するとともに、誰もが快適に生活できるよう現地で建て替える。新たな住宅は片廊下型のRC造8階建てで、300戸を3棟に集約する。

 とちぎ健康の森の本館は、長寿命化に向けた空気調和設備など改修を23年度から25年度までの3カ年で実施する。本館はRC造地上4階地下1階建て(+PH階)、2万2976平方mの規模で、1996年10月に竣工し築26年が経過している。改修の設計は、ネオ設計(宇都宮市)が担当。当初予算では、3カ年継続費に総額30億1354万円を設定している。

 元県体育館は21年12月31日で廃止され、敷地内には本館(SRC造2階建て、延べ6069平方m)や別館(延べ1154平方m)、プール館(大プール・小プール)、武道場(延べ2092平方m、弓道場(延べ463平方m)などが残されている。これらの建物を本年度から2カ年で解体するため、7億9097万円の継続費を設定。工事は第1四半期の発注を予定する。解体後の跡地は、県立美術館・図書館・文書館を改築して整備する「文化と知」の創造拠点の建設候補地とする。

 業務委託は65件の、4億7100万円を予定する。県営西川田住宅の建替事業で昨年度に引き続き基本・実施設計を策定するほか、教育委員会から県立学校施設の長寿命化に向けた施設改修の設計などを受託する。

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