事業費は約27億円 新庁舎計画 建設候補地は5カ所(河内町)
[2023/4/25 茨城版]
河内町は、新庁舎の整備に向け、外部委員会による検討を進めている。必要と見込まれる敷地は約1万4000平方mとし、現在地を含めて5カ所を候補地として検討するもよう。事業費は概ね27億円から30億円程度を見込んでいる。順調に進めば、10月にも検討内容を町長に答申する計画で、議会との調整を図りながら、建設地やスケジュールなどを決定する予定だ。
源清田にある役場本庁舎は、旧河内村役場として1969年に完成した。現在の施設規模は、本庁舎がRC造2階建て延べ1594平方mで、このほかにS造平屋の第1分庁舎(1995年完成、132平方m)と第2分庁舎(12年完成、134平方m)が立地する。本庁舎では、11年度に重量軽減を中心とした耐震化工事(施工は石山建設工業)が行われ、耐震性は確保している。
今回の計画は、築後約50年が経過したことによる施設の老朽化に伴う、各種機能の不足などから計画したもの。経年劣化により複数箇所に雨漏りや軟弱地盤による建物の傾きなどが発生しているほか、書庫や倉庫、会議室などの狭あい化や不足なども顕著となっている。また、エレベーターがないなど、バリアフリーも課題となっているほか、災害時の防災拠点としての課題も抱えている。
このため、町では18年度から幹部職員などによる庁内会議や、ワーキンググループなどによる検討に着手。昨年7月からは、議会や学識経験者、町内の代表者らで構成する新庁舎検討委員会を設置し、本年2月までに計3回の会合を開催している。
これまでの会合によると、改修ではなく、建て替えの整備で進むことが了承された。整備方針には、▽人にやさしく、利用しやすい庁舎▽無駄を省いたスリムな庁舎▽町民参画の拠点となる庁舎▽防災拠点としての庁舎▽環境に配慮した庁舎──などを掲げ、具体的な機能として窓口や議会、行政などの機能に加えて、防災拠点機能を挙げている。
建設地については、第3回会合において、必要となる敷地面積を約1万4000平方mとした上で、▽現庁舎▽旧河内中学校▽中央公民館北側▽中央公民館南側──の4カ所の候補地を提案。これに対する委員からの意見を受けて、次回以降はかわち学園周辺を加えた5カ所を候補地として検討するもようだ。
施設規模は、職員数の推計や付加機能などから約3400平方mを必要面積に設定。事業費については、中央公民館2カ所で約27億円、現庁舎と旧河内中学校で約29億5000万円程度を見込む。
検討委員会では、5月中旬にも第4回会合を開く予定で、継続審議となっている建設地や事業費などの検討を進める。建設地については、答申の段階での絞り込みも含めて議論を行っていくもようだ。