田川水門整備を推進 事業概要 樋管の改築や撤去工事(下館河川)

[2023/4/21 茨城版]
 国土交通省下館河川事務所(海津義和所長)は、23年度の事業概要を明らかにした。事業費は50億0800万円で、前年度比2.9%のマイナスとなった。本年度の主な事業として、田川の水門整備を推進していく。また、引き続き水害・土砂災害などから対策を図る流域治水事業による鬼怒川と小貝川の堤防整備などを進めていく。

 河川別の事業費では、鬼怒川が前年度比2.3%増の26億9100万円、小貝川が同8.3%減の23億1700万円。事業別では、河川改修費に29億3200万円(鬼怒川16億7000万円、小貝川12億6200万円)、河川維持修繕費に18億1900万円(鬼怒川8億8100万円、小貝川9億3800万円)、河川工作物関連応急対策事業費1億8700万円(鬼怒川7400万円、小貝川1億1300万円)、総合水系環境整備事業費に7000万円(鬼怒川6600万円、小貝川400万円)を確保した。

 23年度の事業では、引き続き、▽氾濫を未然に防ぐための取り組み▽持続的な安全性の確保のための取り組み▽地域に元気を届けるための取り組み──を進める。このうち、氾濫を未然に防ぐための取り組みでは、鬼怒川支線田川合流点の水門整備や、小貝川の樋管改築や撤去を計画する。

 田川合流点での水門整備は、21年度に本体工事とゲート設備工事の2件を発注し、本体工事を東急建設、設備工事を日立造船がそれぞれ施工している。この工事は、田川沿川で浸水被害が過去何度も発生し、関東・東北豪雨でも床上・床下浸水あわせて213戸の家屋が浸水する被害が発生したことなどから計画されたもの。県による田川の堤防整備とあわせて田川合流点に水門を整備し、鬼怒川の水位上昇時の田川への流入を防止する。工期は24年度末ごろまでを予定し、本年度も引き続き工事を進めていく。

 小貝川では、22年度に取手市新川地区の古八間排水樋管改築工事に着手し、工事は東急建設が担当している。取手市新川地区にある古八間排水樋管は老朽化が進み、樋管部の堤防も必要な高さと幅がないことから、洪水時の流下能力が不足している。このため、延長80mに渡り樋管の改築を行うとともに、樋管部の堤防の嵩上げ及び拡幅も併せて実施し、治水安全度の向上を図る。

 つくばみらい市の上平柳地区や鬼長地区では、20年3月に策定した小貝川河川整備計画に基づき、引き続き堤防の高さや幅が不足している区間の整備と老朽化した樋管の撤去を進める。本年度は、上平柳地区の与後排水樋管撤去と堤防の嵩上げ、鬼長地区の道畑排水樋管撤去と堤防の嵩上げなどを計画。上平柳地区の小貝川左岸与後排水樋管撤去工事は、第1四半期に一般競争入札で発注する計画で、発注規模は2億円から3億円程度を見込んでいる。

 このほか、鬼怒川と小貝川周辺では、地域に元気を届けるための取り組みとして、引き続き堤防整備にあわせたリバースポットや側帯などの整備を進める。鬼怒川と小貝川では、水辺へのアクセス拠点を「リバースポット」と位置付けて、河川管理用通路や河川改修に合わせたサイクリングロード整備と沿川自治体などによるリバースポット整備が進められている。鬼怒川では本年度、管理用通路整備をサイクリングロードとして活用する工事を行うほか、小貝川ではサイクリングロードの利用実態把握へモニタリングを進める。

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