災害復旧の評価実績拡充 総合評価制度を改正(宮城県 仙台市)
[2023/4/15 宮城版]
仙台市は、総合評価一般競争入札制度の一部評価基準などを改正した。災害復旧工事の評価対象実績については、これまで評価対象とならかった応援協定に基づく災害対応、困難業務、維持工事などの実績を災害復旧工事の実績と重複して申告できるよう見直した。日ごろ機動的に対応する事業者の評価を手厚くした。1日公告の工事から適用している。
見直しは、問合せが寄せられていた評価基準をわかりやすくするため、評価基準の改正、評価項目の再編、評価対象期間の統一などを行った。東北地方工事安全施工推進大会(SAFETY)優良企業表彰歴は、廃止する。過年度の申告実績がほとんど無いほか、建設業界団体の意見を踏まえた。
評価基準の改正では5項目を見直した。災害復旧工事の評価対象となる実績については、[1]協定に基づく災害対応実績[2]困難業務等の従事実績[3]維持工事等の施工実績──を評価対象としていなかった。このため、災害復旧工事を数多く実施した事業者が[1]~[3]の実績がある場合でも評価は災害復旧工事の実績項目で加点していた。多くの災害復旧工事を行う事業者を適正に評価するため、見直し後は(基準を満たせば)評価対象として加点する。
困難業務の実績は実態に応じて100万円未満の上限を撤廃。名称は「困難業務」から「緊急工事」に変更する。このほか、評価基準の再編では▽地域貢献活動の実績▽市内本店所在年数と受注状況▽障害者の雇用促進状況──の3項目を集約し「地域貢献活動の取り組み状況」でそれぞれの型式に応じて最大1点から1.5点を加点して評価する。
総合評価の対象は、予定価格が5000万円以上の工事と区役所・総合支所が発注する1000万円以上5000万円未満の舗装工事で、工事規模や難易度などで簡易型I型・同II型、標準型を適用する。大半は簡易I型で、技術的な工夫の余地が小さく、発注者が示す仕様書に基づいて適正・確実な施工を求める。