農地整備が新規採択 東松島の下福田・新田地区(宮城県東部振興)

[2023/4/12 宮城版]
 県東部地方振興事務所は、本年度の新規採択地区として、下福田・新田(しもふくだ・にった)地区の農業競争力強化農地整備事業と、上区(じょうく)地区の水利施設整備事業に着手する。下福田・新田は東松島市で88.7haの農地を区画整理する。上区は同市赤井地区で上区排水機場を改築する。

 下福田・新田地区は、三陸沿岸道路の鳴瀬奥松島インターチェンジから鳴瀬川を挟んだ北側に広がる水田で、受益面積が67.8ha。農地整備は事業期間に23~30年度の8年間を予定。ハード関係の総事業費は23億円を試算している。

 計画では、67.8haの整地工、延長11.2kmの道路工、延長9.5kmのパイプラインによる用水路工、揚水機場2カ所の整備、延長12.9kmの排水フリュームによる排水路工、67.8haの暗渠排水工を進める。整地工では可能な限り1ha区画で農地を整備し直す考え。一部の土地は沢部に位置するため1haより狭くなる見込み。

 まずは区画整理工事の詳細設計業務を工区分けして委託する。本年度は最初の測量設計業務を8月に一般競争入札で委託する予定。業務内容は13.5haの区画整理測量設計と、揚水機場の設計となる。概算業務規模は2000万円。履行期間は約6カ月。

 区画整理の基本設計業務は丹野測量設計(登米市)がまとめた。現況の水田は東松島市西部を流れる鳴瀬川左岸に位置しており、1区画当たりが10アールと狭い。耕作道路も狭い上、用排水路が土水路で非効率な営農を余儀なくされている。区画整理で効率的に営農できるようにする。

東松島で上区排水機場改築

 上区排水機場は、水利施設整備事業(基幹水利施設整備型)で定川の下流側に移して造り直す。事業期間は23~28年度の6年間を予定。ハード関係の総事業費は24億1200万円。

 新しい排水機場は、横軸斜流ポンプを2台設置する。口径は1台が1000mm、もう1台が700mm。排水能力は毎秒4.05立方mを確保する。移設に伴って、大型張りブロックによる延長696mの排水路工も実施する。改築の基本設計はサトー技建(仙台市若林区)、排水解析は三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)が担当した。

 本年度は9月に測量設計(詳細設計)業務と地質調査業務をそれぞれ一般競争入札で委託する見通し。概算業務規模は測量設計が4000万円、地質調査が2000万円。履行期間は2件とも約5カ月。

 既存の上区排水機場は口径700mmと同900mmのポンプ2台が備わっており、排水能力が毎秒2.46t。整備されてからすでに60年近くが経っている。

 なお、上区排水機場の受益地である深谷西地区(東松島市、石巻市)では、農地整備事業で農地を区画整理する。事業期間は2022~30年度の9年間を予定。総事業費は74億6900万円。昨年度は上三・上四工区の64haを対象とした測量設計業務をサトー技建(仙台市若林区)に委託した。

 本年度は中道工区の51haを対象とした測量設計業務を6月に一般競争入札で委託する。概算業務規模は3000万円。履行期間は約8カ月。区画整理工事は24年度から順次行う見通し。

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