野田町で堤防嵩上げ 新年度の事業概要 河川37億、砂防15億円(渡良瀬川河川)
[2023/4/8 栃木版]
国交省渡良瀬川河川事務所は、2023年度の事業概要を明らかにした。河川事業は、足利市の野田町地区で堤防嵩上げや奥戸町地区で河道掘削・低水護岸工事などを実施するほか、中橋は引き続き側人道橋の下部工を行う。日光市の砂防事業は23年度分で仁田元川砂防堰堤改築など、22年度補正分でも松木川上流堰堤群改築(工事用道路)などを実施する。本県と群馬県を合わせた全体事業費は、対前年度比11.6%増の31億3300万円で、これに22年度補正をあわせると53億4900万円となる。
本年度予算のうち、河川整備事業費は19億4700万円で、22年度当初の17億0800万円から14.0%の増。これに22年度補正の18億3700万円もあわせ、37億8400万円を執行する。内訳は、河川改修費が23年度7億2100万円、22年度補正13億1200万円で、このうち1億6700万円は特定構造物改築事業に充てる。河川維持修繕費および河川工作物関連応急対策費は、23年度が12億2600万円、22年度補正が5億2500万円となる。
砂防事業費は11億8600万円で22年度当初から9.0%増加し、補正を合わせると15億6500万円となる。内訳は、直轄砂防事業費が23年度7億6600万円、22年度補正3億2000万円で、直轄火山砂防事業費が23年度4億2000万円、22年度補正5900万円となっている。
主な事業を見ると、一般河川改修事業の渡良瀬川下流は、堤防の高さや幅が不足する弱小堤防区間の早急な対策が必要なことから、堤防強化などによる河川改修を実施する。23年度当初分で足利市野田町地区の渡良瀬川の堤防嵩上げや、同市奥戸町地区の旗川の河道掘削・低水護岸などを実施するほか、22年度補正分でも栃木市藤岡町地区の渡良瀬川の堤防嵩上げや佐野市高橋町地区の旗川の河道掘削・低水護岸などを実施する。
同事業の渡良瀬川上流は、洪水時に備えた堆積土砂の掘削や河岸侵食などの早急な対策が必要なことから、水衝部対策による河川改修を実施する。23年度分では群馬県太田市市場町地区の渡良瀬川の水衝部対策や足利市小俣町地区の桐生川の用地取得など、22年度補正分では群馬県桐生市広沢町地区の渡良瀬川の水衝部対策などを実施する。
渡良瀬川上流特定構造物改築事業では、足利市で都計道家富町堀込線(主要地方道足利千代田線)が渡良瀬川を渡河する中橋の架け替えを推進する。中橋が架かる渡良瀬川35.2キロ付近の堤防は必要な高さや幅が不足し、早急な対策が必要なほか、中橋の桁下高の不足や老朽化から、堤防の嵩上げと合わせて中橋を改築する。23年度は、引き続き側人道橋の橋梁下部工などを予定する。
渡良瀬川の河川維持修繕事業は、堤防除草・河川巡視や河川管理施設の維持管理を引き続き実施するほか、22年度補正分で足利市小俣町地先他の河川内の樹木伐採や、群馬県桐生市広沢町地先のイノシシの掘り起こし対策を実施して出水時の安全を守る。
利根川水系砂防事業(渡良瀬川)は、砂防設備などを整備して下流河川の土砂・流木流出に伴う洪水・土砂氾濫被害の防止・軽減を図るもの。本年度は、日光市足尾町で仁田元川砂防堰堤改築と群馬県みどり市東町で花輪床固群を予定するほか、補正予算で日光市足尾町の松木川上流堰堤群改築(工事用道路)や出川床固群、群馬県みどり市東町で花輪床固群の整備を進め、基礎的インフラを保全する土砂災害対策を加速化させる。