4フロア構成8600平方m規模 津田沼駅前に文化ホール(習志野市)
[2023/4/5 千葉版]
習志野市は、習志野文化ホール再建設基本計画をとりまとめた。JR津田沼駅南口での再開発事業に合わせ複合施設として計画し、ホールは4フロア構成、延床面積は約8600平方mを想定している。目標席数は1350席。ショッピングプラザ「モリシア津田沼」の信託受益権を保有する野村不動産(東京都新宿区)と、5月にも、習志野文化ホールやペデストリアンデッキを含む公共公益施設の規模や費用負担の考え方などをまとめた確認書を締結、津田沼駅南口への建て替えを最終判断することにしている。
市は、野村不動産から、習志野文化ホールを含めた一体的な再開発の提案を受けており、基本計画は、昨年7月に策定した基本構想をふまえ庁内で作成した。
整備の基本的な考え方には、「新たに習志野市から始まり・生まれ・発展しつづけるホール」「誰もが利用しやすい施設」を定め、さまざまな演出や利用に対応できる多目的なホールとして整備する。
設計にあたっては、現ホールの仕様や利用実態、利用者からの意見などを踏まえ▽利便性に配慮したバリアフリーアクセス・ゾーニング▽豊かな音の響きを重視した舞台・客席空間▽利用頻度に合わせた諸室配置▽演目とスムーズに連携する管理部門──などを重視する。
構成や設備計画をみると、ホールは商業施設の上階に計画。複合施設全体の賑わいを創出するとともに来訪者を増やし、まちの活性化を図る。
ホールは4フロアで構成し、1層に管理事務室や楽屋、2層にロビーやホワイエ、3層に上階ホワイエや客席上部、4層に設備を配置する。
客席形態はワンスロープ形態、舞台形式はプロセニアム形式とする。主舞台の大きさは、幅と奥行きともに現ホール同等以上のサイズで検討、緞帳は現ホールの緞帳を再設置する。
オーケストラピットは設置せず、パイプオルガンは活用実績や財源などを含めて再設置の可否を検討する。
アプローチについては、南口駅前ペデストリアンデッキに接続することでバリアフリールートを確保する。また、現ホール同様、災害時の帰宅困難者が滞在できる施設として計画する。
設計業務は、再開発事業者の野村不動産が委託、市が施設整備費用を負担する。5月にも締結する確認書では、都市計画の変更手続きに向け、市と同社双方の責務などを定める。確認書の締結にあたっては同社から、概算事業費が示される見込みだ。同社では、23~25年度の設計、25年度末の着工を見込んでいる。
なお、基本構想では、津田沼駅南口建て替え時の事業費として117億円を概算している。