新ターミナル段階整備へ「新しい成田空港」構想の中間とりまとめ

[2023/3/31 千葉版]
 「新しい成田空港」構想の中間とりまとめが30日、明らかになった。集約型の旅客ターミナルや新貨物地区を整備するほか、空港内の道路を再編する構想。新旅客ターミナルは、第2旅客ターミナル南側を候補地として、旅客ターミナルを運用しながら、段階的に整備する方向で検討している。

 学識経験者や国、県、地元市町で構成する「新しい成田空港」構想検討会(委員長・山内弘隆運輸総合研究所所長)で検討を進めた。中間とりまとめでは、「旅客ターミナル」「貨物施設」「空港アクセス」「地域共生・まちづくり」のテーマごとに整理している。

 旅客ターミナルについては、首都圏を発着地とする需要のみならず、アジアをはじめとする三国間流動や国際線・国内線の乗継需要を取り込み、「世界と繋がる多様なネットワーク」をもつ国際ハブ空港を目指すべきとした。

 集約ワンターミナル方式を採用。新旅客ターミナルの配置については▽滑走路の配置とバランスの取れた位置にある▽ある程度まとまりのあるエリアが確保できる▽既存ターミナルの運用を継続しながら段階的な整備が可能▽アクセス機能(鉄道・道路)の接続が可能──の条件を満たす第2旅客ターミナル南側を候補地とする。

 段階的に整備する方針。さらなる機能強化の完了後に、第2ターミナル南側に新旅客ターミナルの半分を整備し、第2・第3ターミナルを接続して暫定的なワンターミナルとする。その後、第1ターミナルを閉鎖し、その跡地に新旅客ターミナルの残る半分を整備して、第2・第3ターミナルを閉鎖する運びを想定している。

 貨物施設については、新貨物地区を整備する計画。空港内外に分散している航空物流機能を集約して、空港内で貨物上屋とフォワーダー施設が密接に連携した航空物流フローの実現を目指す。新貨物地区は、B滑走路とC滑走路の中間で、新たに用地を取得する空港東側エリアを候補地とする。

 空港内道路は、分岐や信号交差点の少ない周回型で分かりやすい道路に再編することが必要とした。圏央道に接続する新規インターチェンジや空港周辺道路網の整備も検討していく。

 この検討会は、成田空港の「更なる機能強化」を進めるとともに、旅客ターミナルの再構築や航空物流機能の高度化、空港アクセスの改善、地域との一体的な発展などに関する成田空港の将来像を検討するため、22年10月に設置。これまで5回にわたり、さまざまな視点から検討を重ねてきた。

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