道の駅計画を継続 規模縮小で事業費は17億円に(龍ケ崎市)
[2023/3/31 茨城版]
龍ケ崎市このほど、国道6号沿いに計画する道の駅整備事業の再検証で、物販や飲食を伴う地域振興施設(機能)を縮小しながら、道の駅整備を継続すると発表した。昨年10月に市議会全員協議会で示された再検証の見通しでは、当初計画から約8億5000万円増額の約25億6100万円を試算していたが、今回はそこから地域振興施設を縮小することで事業費を縮小し、約17億5700万円と試算している。市では今後、大規模事業などの状況を見ながら、25年度ごろに牛久沼の護岸工事を再開し、28年度の開設に向けて事業を進めていく計画だ。
再検証に当たっては、市民などから寄せられた意見や、牛久沼の有効活用、社会情勢、中長期的な財政収支見通し、関係機関との調整などの観点から検討を進めていた。その結果、地域振興施設機能を縮小しながら、牛久沼の魅力アピールに向けて、水辺・自然・夕陽を活用した「道の駅」を整備することとした。地域振興施設については、民間による整備も視野に入れ、道路情報や地域の情報を提供する場、牛久沼トレイルの拠点としてドライバーとサイクリストなどが休憩できる場、牛久沼の水辺環境を活用・体験する場、牛久沼の景勝ポイントなどの地域振興機能を有するエリアとする。
整備形態は一体型で、国道6号を管理する国がトイレや駐車場などの休憩施設と情報発信機能、交差点整備を行い、市が地域連携機能や牛久沼を活かした空間整備を進めていく。事業費は約17億5700万円を試算し、内訳は計画策定で2200万円、土木費で8億6100万円、追加工事で1億9700万円、建築費で6億7700万円としている。このうち、追加工事では、基本計画時になかった上下水道工事に加え、水上スポーツなどに利用する桟橋設置などを行う。建築費は、地域振興施設を縮小することで、約8億5400万円を減額している。
市では今後、23年度に着工する新保健福祉施設や新長戸コミュニティセンターの整備、設計をまとめている北竜台地区小中一貫校などの大型事業の状況を踏まえながら、施設整備を進めていく。23-24年度は、地域振興施設の具体的検討や民間への意向調査、護岸整備に向けた県との協議などを行い、25年度から護岸改修工事に着手する。その後、26年度に場外の上下水道工事、27年度に本体工事を行い、28年度の供用開始を目指すとしている。
道の駅整備は、国道6号と牛久沼に挟まれたエリア2万8600平方mに計画するもの。15年度に基本構想、16年度に基本計画をまとめたあと、K計画事務所(東京都世田谷区)に基本・実施設計を委託し、19年度末までに策定作業を完了した。
18年末には、牛久沼の護岸改修工事に着手したが、その過程で想定以上に地盤が悪いことが判明し、翌年1月に工事を中断。同年12月には建設地内に旧レジャー施設のものと思われる不足埋設物が確認され、この時点でスケジュールを延期していた。
22年4月からは、萩原勇市長の意向を受けて事業の再検証に着手。概算事業費や収支見込みなどを再算定し、事業の妥当性を含めた総合的な検討が行われ、想定されるパターンとして、従来通りの道の駅整備のほか、市単独による広場の整備、現状を維持した場合の3パターンを示した。最終的には、地域振興施設を縮小することで、従来方式による道の駅整備が継続された格好だ。