企業能力評価型を新設 入札・契約実施方針 業務で若手技術者活用(関東地整)
[2023/3/30 栃木版]
国交省関東地方整備局は、総合評価審査委員会の審議を経て、工事、建設コンサルタント業務等、役務の提供等における2023年度入札・契約、総合評価の実施方針を策定した。主な変更点として、工事は企業能力評価型の新設や地域防災実績評価型、実績評価型の見直し、段階選抜方式の見直しなど、建設コンサルタント業務等では若手技術者の活用の評価や発注者支援業務等の評価見直しなど、役務の提供等では企画競争方式の標準的な評価点の見直しなどとなっている。
工事の変更点では、地域インフラを支える担い手としての企業の確保や、受発注者の事務手続きの軽減の取り組みをより推進するため、災害協定やBCP認定の有無など地域精通度の配点割合が高く、企業の技術力の評価のみを行う「企業能力評価型」を新設し、8月1日以降の公告案件から適用する。
また「地域防災実績評価型」と「実績評価型」は、災害活動実績を評価項目とする試行工事だが、加点を受けられる企業の数が災害の発生状況で大きく影響されるため、これまでの加点状況を踏まえ、評価項目について「災害協定等の有無」を必須項目とし、「企業の同種工事の施工実績」または「災害活動実績」のいずれかを選択項目とする見直しを行い、名称を「企業実績評価型」に変更して実施する。こちらは4月1日以降の公告案件から適用する。
段階的選抜方式は、落札者の固定化対策としてチャレンジ枠を設定し一次選抜者数を拡大しているが、選抜者数が多く段階的選抜方式の効果が十分に発揮できていないことから、受発注者双方の事務負担軽減のためチャレンジ枠を見直す。競争参加者のうち一次選抜者数を増やし、15者を上限として4月1日以降の公告案件から適用する。
新技術導入促進型(I型)技術提案評価型は、新技術活用評価型I型を本運用とし、原則全工事において新技術の提案を求め適用する。こちらは8月1日以降の公告案件から適用する。
業務は、若手技術者と若手技術者以外の業務経験(同種・類似業務の実績)に差がなく、若手技術者の業務成績評点は若手技術者以外と比較する業務実績の件数が少ないため、管理(主任)技術者の「成績・表彰」の配点割合を低減し、「若手技術者の配置」へ割振る。
発注者支援業務は、他の総合評価でもすべての業務で管理技術者のCPD加点評価を実施しているため、継続教育を行い技術の研さんに取り組んでいる管理技術者について継続教育取組実績CPDの取得状況に加点評価する。これらの見直しは、8月1日以降の公告案件から適用する。
また、国土交通省登録資格をRCCM・土木学会認定技術者とそれ以外に分割し、RCCM・土木学会認定技術者以外の国土交通省登録資格を「専門的な知識をもつ資格」とし、組合せ加点の対象とする。この試行は、4月1日以降の公告案件から適用する。
役務の提供等では、企画提案書のヒアリングについて必要に応じて実施することとし、Web会議による実施も可能とするよう試行する。標準的な評価点は、これまでWLBの評価基準を企業の評価の中に入れていたが、企画競争の評価基準とWLBの評価基準をそれぞれ算出し、合算して全体評価とする。また、配点の合計点を企画競争100点+WLB5点の計105点に見直す。