中妻高架橋を補修 事業計画 道路情報施設は詳細設計へ(栃木県道路公社)
[2023/3/29 栃木版]
県道路公社は、2023年度予算と事業計画を公表した。道路改築事業費には2億1578万円、道路維持改良費には23億2234万円を予算化して、引き続き日光宇都宮道路(日光道)のリニューアル事業や大規模修繕、設備更新を実施していく。リニューアル事業は、残る6橋のうち中妻高架橋などで補修補強工事を実施する予定。さらに事業期間も見直すことで、事業費の平準化を図っていく。維持改良は、舗装修繕や区画線工、道路標識の更新、気象観測設備の更新や新設などを計画。道路情報施設計画については、予備設計を完了させて引き続き詳細設計を策定する。
本年度の予算は57億0145万円で、前年度の86億0415万円から29億0270万円、率にして33.7%の大幅減となった。減少の主な要因は、借入金など業務外支出の減少によるもので、業務費や維持改良費は概ね前年度並みかそれ以上の事業費を確保した。
事業計画を見ると、改築計画では日光道リニューアル事業を引き続き推進するとともに、日光宇都宮道路の大規模修繕や設備更新を実施する。
日光道リニューアル事業「ずっと安全・もっと便利」は、宇都宮ICから日光ICまでが1976年、日光ICから清滝ICまでの区間も81年に供用を開始し、いずれも40年以上が経過して老朽化が進んでいるため、2016年度から取り組んでいる。
これまでに、大規模修繕の対象となる橋梁25橋と2トンネルのうち15橋と2トンネルの工事を完了させ、現在は今市橋、堀ノ内橋、八坂橋、天神前橋の4橋の補修工事を実施中。22年度末の進捗率は事業費ベースで79%となっており、未着手橋梁は山王橋、徳次郎橋、上町橋、石那田橋、中妻高架橋、清滝高架橋の6橋となっている。
23年度については、このうち中妻高架橋などの補修補強工事を実施する予定で、伸縮装置の取替工事などを計画する。中妻高架橋は橋長277.7mの単純PC合成桁橋で、補修補強工事の設計は21年度に富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が策定した。
なお、日光道リニューアル事業は23年度の完了を目標に事業を進めてきたが、別途発注工事との本線規制時期や繁忙期工事抑制、さらには県道路施策検討有識者懇談会で国の方針も踏まえた有料道路の今後の管理・運営のあり方も検討されることから、公社としてもその結果を見据えながら残工事の全体スケジュールを見直していく。
維持改良費のうち大規模修繕では、舗装修繕を本線の轍ぼれ、ひび割れ、段差など痛みの激しい箇所を調査に基づき実施しており、23年度は大沢IC~土沢IC間と鳴虫山トンネル先の天神前橋付近の2カ所を計画。天神前橋付近は、凍結抑制舗装(多機能性排水性舗装)で補修する。
区画線工は、土沢ICから日光IC間で延長約50kmを実施する。道路標識の更新工事は色がさめたものから順次実施しており、23年度も規制標識や案内標識など30基の更新を予定する。
設備更新は、気温や路温、雨量、風向、風速を観測する気象観測設備について、清滝観測局を更新するとともに、篠井観測局を新たに設置する。老朽化が進んでいた受配電設備は、これまでに高圧設備の更新が完了し、23年度は低圧の今市ICと清滝ICの2基の設備を更新する。
建設工事関連委託は、橋梁・カルバートの5年に1度の定期点検が2巡目の最終年度となり、土沢橋ほか22カ所の点検を実施する。22年度から着手した道路台帳作成業務は、篠井IC前後と宇都宮市・日光市境付近、猪倉団地付近の3カ所で、それぞれ延長1.5kmを発注する見通し。
また、「道路情報施設計画策定業務」(予備設計)を建設技術研究所(本社・東京都)に委託して7月末までの期限で策定しており、この中で具体的な道路情報施設が固まれば、引き続き優先度が高い施設の詳細設計業務を委託する。この施設は全線にわたり伝送設備を光ケーブルに更新していることから、これを活用してより利用者に有益な情報を提供するための施設や提供内容などを検討している。
管理計画は、有料道路で鬼怒川有料道路(国道121号)の料金徴収期間が満了して無料化されたことから、23年度は宇都宮鹿沼道路(国道121号)と日光宇都宮道路(国道119号および120号)の2路線を管理して、収入予定額18億5337万円を見込む。
高架下施設は、鬼怒通り高架橋下駐車場、鶴田陸橋下駐車場、駒生陸橋下駐車場、宇都宮北道路陸橋下駐車場、雨情陸橋下駐車場、下川俣陸橋下駐車場、栃木街道跨線橋下駐車場の7カ所を管理し、4406万円の収入を予定する。
このほか、附帯事業施設管理は日光宇都宮道路の日光PAで571万円、受託事業は宇都宮北道路交通管理で1851万円、日足トンネルなど長大トンネルの保守管理に1億2750万円の収入を見込む。