時間外労働規制の適用へ 企業能力評価型を試行 (関東整備局)

[2023/3/29 千葉版]
 関東地方整備局は28日、建設業における時間外労働規制の適用に向けた取り組みを公表した。2024年度から罰則付時間外労働の上限規制が施行されるため、23年度に「企業能力評価型」を試行するほか、猛暑日を考慮した工期の設定などに取り組む考えだ。

 建設業では、24年4月から月45時間、年360時間を原則とする時間外労働の上限規制が施行される。そのため、関東地方整備局は、1月23日に開催した1都8県建設業協会との意見交換会を踏まえ、23年度の取り組みをとりまとめた。

 主なものをみると、通常工事を対象に、災害協定やBCP認定など地域精通度の配点割合が高く、企業の技術力のみを評価する「企業能力評価型」を新たに試行する。対象となるのは一般土木・As舗装・維持修繕で、原則2億円以下の工事。8月以降に公告する工事から適用する。

 猛暑日を考慮した工期設定に改定する。工期の設定に当たっては、実働日数に天候などによる作業不能日を加えて設定しており、これまで作業不能日は降雨・降雪日数のみだったが、猛暑日の日数を加えて工期を設定する。4月1日以降に入札・契約手続運営委員会に諮る工事から適用する。

 管内の市区町村発注工事のうち、多くの市区町村が週休二日制対象工事として発注手続きを実施していないため、関東ブロック発注者協議会は「週休二日制対象工事の実施状況」の指標を市区町村の発注工事に拡大する。

 23年度の優良工事等表彰について、生産性向上や働き方改革に資する効果的な取り組みを追加表彰する。同局では、前年度に完成した工事や業務の中で、特に優れた成績を収めたものを毎年7月ごろに表彰しており、工事などの総合評価で加点するインセンティブが付与される。

 このほか、段階的選抜方式の上限を15者とするほか、「工事の施工時間に係る特記仕様書記載例」の改定などに取り組んでいく。

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