柳の目で宅地開発検討 中小企業と振興策を協議(宮城県 東松島市)
[2023/3/28 宮城版]
東松島市は27日、2022年度の市中小企業・小規模企業振興会議(会長・橋本孝一東松島市商工会長)を開催し、企業誘致に関する最新の取り組みなどを説明した。渥美巖市長は新たな産業用地の整備に向けて23年度に基本計画の策定に着手することや、柳の目地区の南工区で宅地開発を目指した土地活用について検討していく考えを示した。
同会議には委員として橋本会長や、市内に事業所を置く企業経営者、県東部地方振興事務所の田畑幸浩地方振興部長ら10人が出席。市からは渥美市長ら7人が出席した。
あいさつで渥美巖市長は、今後に市を維持・発展していくに当たり「地域間の競争になる」との見解を示し、「人口を維持するためには働き場所を創ることが大事。企業誘致を積極的に進める」との意向を示した。その上で、新たな産業用地の整備に向けた基本計画策定業務委託費として23年度予算に1000万円を計上したことを紹介した。
具体的な企業誘致の動きとして渥美市長は、グリーンタウンやもと工業団地にマルヒ食品(大崎市)が給食用の食品製造工場を建設する計画で、4月の着工、11月の竣工予定であることを伝えた。
会議では市が中小企業・小規模企業の振興に向けた22年度の取り組み状況と成果を報告するとともに、23年度の取り組みについて説明した。
23年度における企業誘致の取り組みでは、新たな産業用地の整備に向け、これまでに行った適地調査の結果を踏まえて基本計画を策定し、開発場所や総事業費、整備スケジュールなどを盛り込むことにしている。
適地調査は国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)が担当した。昨年に6カ所を候補地として示している。
企業誘致の推進ではこのほか、柳の目地区の中工区で民間開発による商業施設を中心とした集客施設が立地予定であることや、南工区で宅地開発を目指しながら土地活用を今後検討していくことなどを確認した。
南工区について渥美市長は、石巻あゆみの駅に隣接していることから「住宅地にしてはどうかという声がある」と明かし、「区画整理ができるかこれからの判断になる」と話した。中工区は「令和5年度(23年度)にかなりの動きが見られると思う。温浴施設などの計画があるようだ」との民間情報を明かした。
このほか新たな住宅地の開発候補として渥美市長は、市営牛網住宅(牛網地区)の跡地を挙げた。同住宅は既存の建物を順次解体撤去しており、敷地面積が「1万1000平方m以上ある」と紹介した。
企業誘致以外の23年度の取り組みでは、市商工会育成事業補助金や市合同企業説明会などを拡充するとともに、市1割増商品券発行事業や市経営大賞などを継続するとした。