給食センターを統合 当初予算 和田公園再整備に1.6億円(稲敷市)
[2023/3/21 茨城版]
稲敷市(筧信太郎市長)は、開会中の定例市議会に23年度の当初予算案を提案している。一般会計の総額は218億0300万円で、前年度当初比2%のマイナスとなった。主な事業では、新給食センターの整備へ基本計画策定業務委託1310万円を確保するほか、和田公園の再整備工事費1億6400万円、子育て支援住宅基本計画策定業務委託料に992万円、桜川総合運動公園の改修工事費に1億5000万円などを計上した。
予算編成では、重点投資枠を設けるなど「新たなまちづくりの幕開け」の予算案としたという。一般会計に占める普通建設事業費は19億2001万円で、合併特例債事業や小中学校改修事業などの完了などにより、前年度当初比15.8%のマイナスとなった。特別会計と企業会計を含めた総額は前年度当初比0.8%マイナスの371億4186万円で、一般会計の減額などにより、2年ぶりの減少となっている。
主な事業のうち、新給食センターの整備では本年度、市内に2カ所ある給食センターの統合に向けて、市内部による協議に着手した。今回の統合計画は、江戸崎学校給食センターや東学校給食センターについて、衛生上の問題や設備の老朽化、児童数の減少などから計画されたもの。両施設では、自校式の桜川中学校を除いた市内の小中学校と幼稚園の給食を賄っているが、桜川地区を含む児童生徒の給食調理業務を継続していくことは難しいとして、統合を進めることとした。新施設では、桜川地区を含めて全ての学校の給食を賄うもようで、新年度は建設地の絞り込みや施設規模、建設スケジュールなどを基本計画の中に盛り込んでいく考え。
和田公園の再整備では本年度、エイト日本技術開発(岡山県岡山市)による再整備基本設計と改築実施設計や、ダイコウ測量設計(行方市)による樹木伐採設計などを進めている。この公園は、霞ヶ浦を眺望できる旧桜川地区の浮島和田岬に位置し、約5万平方mの広さを持っている。敷地内には、芝生広場やデイキャンプ場などが整備され、松林に囲まれたキャンプ場には炊事棟が設置されるなど、市民などの憩い空間として利用されている。今回の工事では、レジャー気運の高まりを受け、バーベキュー施設の拡張や管理棟の改築工事、フィールドの再整備を行う。23年度は管理棟やトイレなどの建築工事を行うほか、実施設計委託1942万円を予算化し、フィールド部分の整備に向けて設計をまとめる。着工は24年度から2カ年で進める計画となっている。
子育て支援住宅の整備では、AN計画工房(水戸市)に委託し、基本構想の策定を進めているところで、新年度は建設地や事業手法などを決定していく考えだ。この施設は当初、人口減少対策として計画したが、稲敷工業団地など市内への工業団地整備も進捗していることから、労働者の住宅確保も含めて、計画を進めることとした。建設地については、市街化区域にある市有地を対象に5~6カ所程度の候補地を抽出し、旧公共施設の跡地などある程度の敷地を確保できる場所を想定している。整備手法には、市による整備のほかにPFIなども候補としているもようで、戸建てや集合住宅を含めて整備形態も検討を進める。
桜川総合運動公園では、改修工事費に1億5000万円を計上した。野球場では、長寿命化に向けて防球ネットのクッションフェンスの改修などを行うほか、テニスコートでは人工芝の張り替えなども実施する。設計はいずれも根本英建築設計事務所(土浦市)がまとめた。
このほか、公共施設の再編で旧君賀小学校校舎等解体工事費に1億2744万円を計上したほか、庁舎と東ショッピングセンター「パルナ」の2カ所に各種の情報提供を行う電光掲示板を設置するため、自立型LEDビジョン設置工事費として6204万円を予算化する。
道路関係では、道路新設改良事業費に2億2860万円を確保するほか、合併特例債対象事業に代わり、過疎債対象として道路新設改良事業費に3億1366万円、同じく過疎債対象の道路維持補修事業に7392万円を計上している。
水道事業会計では、建設改良工事費に2億4075万円を予算化し、西部増圧ポンプ場では2カ年で機能強化や更新工事に着手する。下水道事業会計では、汚水管渠工事やあずま浄化センターの設備改築など、建設改良費に4億6130万円を投じる。