大多喜城分館を改修 大多喜町に施設移譲へ(千葉県)

[2023/3/22 千葉版]
 千葉県は、県立中央博物館・大多喜城分館(大多喜町)の改修に乗り出す。改修計画立案業務の委託先を選定するプロポーザルを公告した。大多喜町への移譲に伴う改修工事に必要な整備手法を検討するもので、委託料は3746万8000円を上限とする。23日に大多喜町内で説明会を開く。

 大多喜城分館は、外様3層・天守閣造りの博物館。構造・規模はRC造地下1階地上4階建て延べ1707平方m。1975年3月に完成し、築50年近くが経過している。元設計は構造計画研究所(東京都中野区)、元施工は大成建設(東京都新宿区)がそれぞれ担当した。

 1999年度に構造計画研究所が耐震診断を実施し、Is値が0.28となり、建物の強度不足が判明した。2012年度には、同社が耐震改修事前調査として、耐震壁設置による耐震補強とエレベーター設置に関する調査を実施したものの、これまで改修は施されていないという。

 大多喜城分館については、2020年度に策定した「千葉県立博物館の今後の在り方」に基づき、地元での有効活用について検討を進めた。その結果、大多喜町と移譲に向け、必要な手続きを進めていくことで合意した。

 県は、大多喜町と移譲の具体的な時期や町の活用などについて協議を進めている。このようなことを踏まえ、同業務では、町への移譲に先立ち、県が実施する耐震やバリアフリー化など改修工事について、整備手法を検討していく。

 具体的な業務内容は▽耐震診断の実施▽耐震改修方法の比較検討▽老朽化やバリアフリー化など改修計画の検討・立案▽改修計画案の作成──など。委託期間は24年3月22日まで。

 プロポの応募資格として、県建設工事等入札参加業者資格者名簿の建築関係建設コンサルティング業務に登録されていることのほか、履行実績などを求める。4月19日まで企画提案書を受け付け、4月下旬の選考委員会を経て、選考結果を通知する予定だ。

 県環境生活部学芸振興室は、同業務の成果を踏まえ、24年度にも設計に着手し、早期の着工を目指す考えを示している。

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