計画高潮位1.4m上昇 東京湾沿岸海岸保全計画の見直し(千葉県が検討会)
[2023/3/17 千葉版]
東京湾沿岸海岸保全基本計画(内湾・内房)の見直しに向け、第2回検討会が16日、オンラインと併用で開催された。気候変動をふまえ、高潮対策施設の計画の基準となる「計画高潮位」を算出した結果、現行計画と比べて0.4m~1.4m上昇することがわかった。今後、高潮のほか津波に対する防護高を算出する。海岸保全施設の高さの目安は、「高潮・波浪」と「津波」に対する計画天端高を比較し、高い方を堤防の計画天端高として採用する予定だ。
県は、気候変動をふまえ「東京湾沿岸(千葉県区間)」と「千葉東沿岸」の2つの海岸保全基本計画の見直しを進めている。海面水位の上昇や高潮被害の増大が懸念されることから、海岸保全施設の整備に向け、高潮や津波に対する防護高をあらたに算出する。
海岸保全計画は国の「海岸保全基本方針」改定をふまえ、都道府県が策定。本県では、港湾課が「東京湾沿岸」を、河川整備課が「千葉東沿岸」をとりまとめる。
昨年8月に続く第2回検討会では高潮に対する防護高などを検討した。
防護高の算出にあたっては、気候変動をふまえ外力条件を設定し、海面上昇量はプラス0.4mを見込み、台風の中心気圧を930ヘクトパスカルに変更した。
「新伊勢湾台風級外力」と「50年確率外力」それぞれの計画高潮位を算出したところ、新伊勢湾台風級外力では、基本水準面(エーピー)プラス3.4m~6.4mとなった。最高は「菊田川~江戸川放水路」区間。
また、新伊勢湾台風級外力による算出結果を現行計画の計画高潮位と比較した結果、0.4~1.4m上昇することがわかった。現行値との差が最も大きかったのは「養老川~村田川」区間。
高潮のほか、波浪に対する防護高、津波に対する防護高は、10月中旬に予定している第3回検討会で提示する。
河川整備課が担当する「千葉東沿岸」についても検討会を開催、計画書をとりまとめる予定だ。