統合小で基本設計 当初予算 市民センター改修に11億円(結城市)
[2023/3/17 茨城版]
結城市(小林栄市長)はこのほど、定例記者会見で23年度当初予算案の概要を説明した。それによると、一般会計は対前年度当初比2.8%減の187億2600万円となった。主な事業には、結城南中学校区新設校建設事業で統合校新設の基本・実施設計委託料を予算化した。このほか、市民文化センター「アクロス」の改修事業に総額11億7421万円、山川不動尊あやめ園整備事業に総額2億5132万円の2カ年継続費をそれぞれ設定している。
一般会計の普通建設事業費は同31.9%増の13億8457万円となった。一般会計に特別会計6会計と水道事業会計、公共下水道事業会計をあわせた予算総額は、同3.2%増の335億1262万円で過去2番目の予算規模となった。
主な事業のうち、結城南中学校区新設校建設事業では、新年度に基本・実施設計の策定に入るほか、敷地の測量調査と環境整備(既存プールの解体、既存部室・テニスコートの解体整備、駐車場整備など)に係る実施設計を委託する。基本・実施設計委託料には23-24年度の2カ年で総額2億2101万円の継続費を設定した。この事業は児童・生徒数の減少に対応するために、結城南中学校区内にある絹川小・江川北小・江川南小・山川小・上山川小学校の5校を統合するもの。統合先は結城南中学校の敷地内とし、新たに小学校を整備する。統合校は敷地西側にあるプールを解体した跡地に建設する計画となる。
校舎の規模は、2階建てとし、普通教室15クラスと特別支援教室9クラスのほか、特別教室、ランチルーム、各クラスごとのワークスペース、体育館などを配置。また、中学生との共同利用によるメディアセンターを設置し、小中一貫校のシンボルとなる施設とする。新設校は25-26年度で建設工事と外構工事を実施し、27年4月に開校する見通しだ。
市民文化センター改修事業は、安全性の確保と機能強化を図るために大ホールと小ホールの特定天井の照明等更新工事と、空調設備やトイレ、配管などの改修工事を実施する。事業費には23-24年度の2カ年で総額11億7421万円の継続費を設定。事業費のうち、工事には11億0828万円を投じる。構造計算や音響設計、工事費の積算などの詳細設計は、佐藤総合計画(東京都墨田区)で策定している。
施設は中央町の市役所北側に立地しており、1991年に建設された。建物の規模はRC造地下1階、地上3階建て、延べ8649平方m。内部には大ホール(1276人収容)と小ホール(363人収容)のほか、楽屋や展示室、会議室、事務室、レストランなどを配置する。同施設はオープン以来、大規模な改修は実施していない状況にある。
山川不動尊あやめ園整備事業では、23-24年度の2カ年で総額2億5132万円の継続費を設定した。この事業は、山川新宿地内の山川不動尊周辺地区に「自然豊かな田園環境と周辺地区の文化資源の保全」をテーマとし、豊かな自然資源とふれあえる近隣公園を整備するもの。あやめ園は山川新宿地内の山川不動尊(大栄寺)脇に位置しており、米の生産調整に対応するための景観作物として転作地へあやめを導入して開設した。今後さらに山川不動尊周辺地区の活性化を図るために、約2.4haの休耕田に「あやめ園」を中心とした近隣公園を整備する。22年度はオオバ茨城営業所(水戸市)で実施設計を策定した。
道路関係では、都市計画道路3・4・18号線(鹿窪・砂窪線)の整備に向けて、測量調査委託料を計上した。同線は県と共同で整備するものだが、測量・設計に関しては県が一括して執行するために市施行区間分の費用を負担する。市施行区間は結城字鷹部屋から殻町までの延長約859.5m、2車線で幅員は16~17m、30年度の完了を見込む。また、市道0109号線では車道と歩道の改修工事費と街路灯LED化整備工事費、市道5234号線では道路拡幅工事費と物件移転補償費、市道0115号線では道路の拡幅工事に向けて、流末排水工事費などを盛り込んだ。
このほか、都市公園整備事業では南部中央公園のエントランス広場とトイレの改築工事費、工業団地整備推進事業では、結城第一工業団地繁昌塚南地区の都市計画決定変更図書作成委託料などを予算化した。