新体育館で実施設計 当初予算 町田運動公園に3.7億円(常陸太田市)
[2023/3/15 茨城版]
常陸太田市は、3月定例市議会に23年度の当初予算案を提案している。一般会計は254億5300万円で、前年度比2.8%の増額となった。主な事業では、4つの重点施策ごとに各種事業を盛り込み、新体育館整備事業は実施設計を進めるほか、市道0139号線整備事業に2億8691万円、町田運動公園整備事業には2カ年(23-24年度)で総額3億7008万円の継続費を設定。竜神大吊橋では、再塗装に向けて工事費を計上している。
一般会計に占める普通建設事業費は29億4304万円で、前年度当初比2.8%減となったが、市道0139号線整備事業費を含む市道の計画的な整備に13億2555万円を計上するなど、引き続き、▽安全安心なまちづくり▽健康で快適な市民生活の実現▽少子化人口減少対策▽活力ある産業づくり──の4つの重点施策を推進するために各種事業を盛り込んだ。特別会計と企業会計を含めた総額は427億2531万円で、下水道事業会計の大幅な減少などにより、前年度当初比0.8%の減額となった。
重点施策ごとの事業を見ると、「安全安心なまちづくり」には18億5034万円を確保。市道の計画的な整備のほか、棚谷町や松平町の急傾斜地・道路法面対策に1605万円、河川維持や内水対策に9703万円などを投じる。
市道整備のうち、県に委託して進めている市道0139号線では、引き続き道路改良工事や橋梁整備などを推進する。この道路は、日立市内の国道245号から笠間市内の国道50号を結ぶ日立笠間線の一部として整備を行うもので、17年度から常陸太田市と日立市で事業に着手。21年度から橋梁工事や改良工事を進めており、新年度も引き続き工事を実施していく。
「健康で快適な市民生活の実現」には3億7807万円を計上。このうち、運動広場の整備には、2億3247万円を確保し、実施設計を進める新体育館整備に9816万円、新設する町田運動公園には1億3431万円を配分する。
新体育館の整備についてはこのほど、基本設計に続いて安井建築設計事務所(東京都千代田区)と柴建築設計事務所の設計JVによる実施設計に着手した。この事業は、1977年に完成した現在の市民体育館について、老朽化や狭あい化、トイレや観覧席の不足、バリアフリー化への対応、空調がなく夏場の使用にも支障があることなどから計画した。メイン・サブアリーナを含めた延べ面積は6912平方mで、敷地内には体育館のほかに、多目的運動広場や545台を収容する駐車場などを配置する。23年度中に設計をまとめ、27年度までの供用開始を目指して工事を進める。
水府支所北側に位置する町田運動公園では、2カ年でリニューアル工事を進める。敷地面積は約1.5haほどに拡張し、幅広い活用を目指す。本年度は、敷地内構造物の解体工事や、開発計画研究所(水戸市)による測量設計などを行った。工事は2カ年で進め、できれば完成したエリアから順次供用を開始していく方針だ。
「少子化人口減少対策」には9億3955万円を確保。このうち、魅力と活力あふれるまちづくりに向けては、東部土地区画整理事業に2億2128万円、企業の誘致推進に1638万円を投じる。常陸太田市東部土地区画整理組合が進める土地区画整理事業では、4月上旬までにエリア南側の3社の企業グループ(カインズ、フォレストモール、ヨークベニマル)による商業施設が順次開業する見通し。市では、引き続き区域内の公園や防火水槽、排水整備工事などを進めるほか、エリア北側のC街区には、24年秋ごろの官民連携複合施設の開業に向けて、民間事業者と共に計画を進めていく。
「活力ある産業づくり」には9億2686万円を投じる。このうち、交流人口拡大に向けた施策には、観光施設整備費として3億5453万円を予算化し、龍二の小吊橋の改修や周辺整備、旧金砂郷保健センターの跡地利用に向けた調査を行う。
1994年に完成した竜神大吊橋(全長446m、中央支間375m)では、定期的に再塗装が行われ、これまでに00年と12年度に工事を実施。前回の工事から10年以上が経過し、色の劣化や錆が見られるため、長寿命化対策を含めて再塗装を行う。橋両側にあるアンカレイジのデザインは現状のままとするもようだ。工事費には1億6781万円を予算化し、23年度中の完了を目指す。
また、シルバー人材センターなどが入る旧金砂郷保健センターでは、観光施設として再整備を行うため、新年度に調査などを行う。計画では、敷地内に残る建屋などを市が撤去したあと、民間事業者を公募して観光施設の整備を誘致する考え。市では、キャンプ場などを想定しているが、具体的には事業者の提案を受けて検討するもようだ。