庁舎跡に観光施設 当初予算 交流拠点の新築で継続費(大子町)
[2023/3/14 茨城版]
大子町(高梨哲彦町長)は定例町議会に23年度当初予算などの議案を提案し、原案通り可決した。このうち、一般会計は108億円で、新庁舎建設事業の完了などによる投資的経費の減少から、過去最大規模だった前年度当初比9.2%のマイナスとなった。主な事業には、旧庁舎跡地関連では、観光交流施設の設計などに3500万円、イベント広場周辺設計に1840万円、ポンプ施設の詳細設計などに3760万円を盛り込んだ。また、交流拠点施設整備事業に2カ年で総額1億2268万円の継続費を設定したほか、内水対策を公共下水道に位置付ける雨水計画策定業務に1200万円、松沼橋改築事業に1億4100万円、マウンテンバイクコースの基本構想に140万円などを計上している。
一般会計に占める投資的経費は16億1739万円で、新庁舎建設事業やし尿処理施設建設工事が一段落したことで、前年度当初比43.4%のマイナス。特別会計と水道事業を合わせた総額は、一般会計の減少などにより前年度当初比5.5%マイナスの173億1442万円となった。
主な事業のうち、旧庁舎跡地関連では、観光交流施設やイベント広場の設計に着手するほか、中心市街地の内水対策に合わせて敷地内に設置するポンプ施設などの詳細設計に着手する。
旧庁舎跡地では、敷地東側に整備する駐車場を中心に「防災道の駅」の整備が計画されているほか、駐車場の西側には、観光交流拠点施設やステージのあるイベント、芝生広場などの整備を計画する。このうち、観光交流施設整備では本年度、柴建築設計事務所(水戸市)により基本構想に着手し、本年度中にまとめる。計画では、平屋約1000平方m程度の建屋に、レストランやコミュニティFMのスタジオ、トイレ、一部行政機能などを設置する。設計は23年度中にまとめ、24年度の着工を目指す。また、既存の道の駅では、敷地北側を活用した施設整備が計画され、当初予算に設計委託料710万円を確保している。
中心市街地の排水処理対策では、施設整備に対する財源確保へ公共下水道事業(雨水)と位置付けるほか、エリア内の雨水が集約される旧庁舎跡地では排水ポンプ施設と雨水地下貯留槽の整備に向けて詳細設計に着手する。計画では、JR水郡線と久慈川に挟まれた約65haの市街地を6地区の処理区域に分け、雨水の分散処理と流下能力の改善、調整池と排水ポンプ施設整備などを進めていく。21年度には基本計画を策定し、本年度はこの基本計画に基づき基本設計を策定した(水工エンジニアリングに委託)。新年度は、事業認可図書の作成や、ポンプ施設の詳細設計などをまとめる。
交流拠点施設は、常陸大子駅前にある文化福祉会館「まいん」に隣接した旧パチンコ店の跡地を活用して整備を行う。昨年秋からは、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で基本設計をまとめているところで、年度内にも実施設計に着手する。施設規模は、木造3階建て延べ約300平方m程度で計画。1階にはカフェや物販施設、2階にフリースペース、3階に学生向けスペースを設置。着工は秋ごろを予定し、2カ年で工事を進めていく。
ポナイの森にはマウンテンバイクコースの整備を計画し、基本構想をまとめる。林道などを活用しながらコース整備を行うもので、プロライダーの意見を入れながら基本構想をまとめたあと、補正予算で工事費などを計上して整備を行い、秋ごろにも一部供用を開始する計画だ。その後、順次施設整備を進めていく考え。
このほか、大子衛生センターでは、整備中のし尿処理施設の稼働後に既存衛生センターや堆肥化施設の解体工事に着手するため、事業費2億3056万円を計上した。木材を活用したやみぞサウナ場改修事業に3100万円を確保し、やみぞホテルの屋外に木製バレルサウナを設置する。
久慈川緊急治水対策プロジェクトで進めている松沼橋の改築事業では、下部工事や上部工事に対する負担金を計上した。新橋は撤去した旧橋の上流側に若干移動して設置され、幅員も交互通行ができるよう車道を7m、歩道は2.5mに拡幅していく。25年3月の完成を目指す。
公営住宅では長寿命化計画策定業務委託料に534万円を確保し、220戸ある町営住宅について計画的な修繕により長寿命化を図るため計画を策定する。