新病院の工事費560億円 6階建て立駐整備(船橋市)

[2023/3/10 千葉版]

 船橋市は3月9日、移転建て替える市立医療センターの基本設計概要を明らかにした。病院本棟の構造・規模は、S造一部SRC造(免震構造)7階建て・塔屋2階建て延べ5万3650平方m。病床は原則個室とし、県と協議中の精神病床と含め500床を確保する。整備事業費(税込)は、工事費約560億円を含む総額約709億円を概算している。24年度に着工、新病院の開院は、2026年度末の目標より遅れ、27年度にずれ込む見通しだ。

 建設予定地は、23年度中に取得する海老川上流地区土地区画整理事業地区内の保留地。敷地面積は4万4674平方m。

 敷地内には、病院本体棟のほか、熱源設備を設置するエネルギーセンター(RC造2階建て・塔屋1階建て延べ1060平方m)、自走式立体駐車場(S造6階建て延べ1万5690平方m)、職員専用保育所(S造平屋320平方m)、ドクターカーを配備する救急ステーション(S造2階建て延べ820平方m)を整備。新駅方面となる南側にロータリーを、敷地北側に平面駐車場を配置する。

 施設計画の主な特徴をみると、関連する部門を適切に配置し、ICU(集中治療室)やECU(救命救急治療室)など機能ごとの専用エレベーターを設置することで、高度医療の強化を図る。

 災害拠点病院として免震構造を採用し、非常用発電機を整備。コロナ禍の経験を踏まえ、感染症患者用の専用動線を確保、感染症対応病棟に切り替え可能な病棟や隔離用陰圧室を設置する。

 また、将来の増築や改修に備え十分なスペースを確保、改修しやすい構造や設備計画とする。

 工事費は、資材高騰などに伴う建設コストの増、感染症に備えた体制の構築、病床の原則個室化、災害拠点病院としての機能や仕様の採用などにより、基本計画時の約290億円に比べ93%(約270億円)の増となった。

 事業収支計画を見直した結果、一般会計の負担額も、基本計画時の1.5倍以上になることから、市では、工事費の削減や補助金の活用などの負担軽減策を、引き続き検討するとしている。

 基本設計業務は日建設計(東京都千代田区)が担当。実施設計業務についても随意契約により同社に委託する。

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