クラブハウスを新設 運動公園の改修基本計画案(神栖市)
[2023/3/10 茨城版]
神栖市はこのほど、市海浜運動公園の改修基本計画案を公表した。計画案によると、改修の対象は同園の西側にあるテニスコート、サッカー場とし、ナイターコートやクラブハウス、駐車場の整備、屋根付きスタンドの設置などを実施していく。23年度に基本設計、24年度に実施設計を行って、25年度から整備に着手。概算事業費は8億4000万円程度に設定している。なお、市は基本計画の策定に市民の意見を反映させるため、パブリックコメントで16日まで意見を募集している。
海浜運動公園は温水プールやテニスコート、サッカー場、野球場、多目的広場など、野外を中心に多くのスポーツ施設を有する運動公園。特にテニスコートは、砂入り人工芝コート24面を有し、国内でも屈指の大規模テニスコートとなる。充実した施設を持つ同園を「スポーツをするなら神栖」の拠点として、トップスポーツも含めた競技者の国内大会や合宿としての利用を促進するためにこのほど、改修を行い、競技施設の充実を図ることになった。
整備対象は、公園の西側にあるテニスコートとサッカー場、共用のクラブハウス、駐車場となる。市ではこのほか公園内の東側にある野球場や温水プールの改修も計画しているが、市民の要望のより多かったテニスコートとサッカー場を優先して整備する。野球場の改修は来年度に基本計画を別途策定していく。
テニスコートでは、現在24面が整備されており、このうち、ナイター練習が可能なのは1ブロック4面のみとなる。そこで、日没時間による大会運営への影響の排除や、平日の市民利用ニーズに応えるため、AコートにLED照明8基と鉄塔6基を整備し、照明設備の付いたコートを1ブロック4面分増加する。また、駐車場からAコートまでの通路両側にフットライトを設置。このほか、雷や雨から一時的に避難する建物が不足していることを受けて、管理棟に隣接した位置にテントを整備していく。規模はフットライトが70m×2(両側)、テントが150平方mで75人程度の利用を見込んでいる。
サッカー場では、観客席と荒天時の避難にも利用可能な屋根付きスタンドを整備する。座席は約600席を確保し、Aグラウンドの東側法面に階段状基礎、長ベンチを設置していく。また、当初はグラウンドの芝の張替えも検討していたが、小学生などの利用環境を優先した結果、実施しないとしている。概算費用は、テニスコートの照明設備が7420万円、フットライトが420万円、テントが2000万円、サッカー場の屋根付きスタンドが9290万円と想定する。
クラブハウスは、サッカー場の出入口、テニスコートFコートに隣接した場所に1棟を新設する。これは現在のクラブハウスが男女それぞれ10人程度しか利用できない規模であり、テニスコートの面数に見合った大会の参加者数に満たない状況にあるため、規模の拡大を行う。新クラブハウスの規模は延べ床約300平方m、内部には約20人収容のロッカールームやシャワールーム、トイレ、会議室などを配置する。
大型テントは雷や雨から一時的に避難する建物が不足していることを受けて、1基を整備。規模は約300平方m、150人程度の利用を想定する。
駐車場は、通常時の利用台数である30台分程度をアスファルト舗装するほか、巡回バス滞留対応や数量不足の解消でトイレを1基整備する。また、外周に植栽を整備し公園の玄関口としての景観性を向上していく。
概算事業費は、クラブハウスが1億5200万円、大型テントが4800万円、駐車場のトイレに2350万円、舗装工事に5380万円、植栽整備に1900万円を想定。これにテニスコートやサッカー場の整備費、諸経費などを合算した全体事業費は、8億4000万円程度としている。
基本計画案を公表したテニスコートやサッカー場など西側エリアについては、23年度から基本設計に着手し、24年度に実施設計、25年度から整備工事を行う計画となる。今回の計画から除外となった野球場やソフトボール場、温水プール、多目的広場など東側エリアについては、別途、基本計画を策定していく。
このうち、野球場では、▽サブ球場(硬式)の整備▽休憩施設の整備▽既存球場の設備改修──などを想定している。基本設計は24年度に、実施設計と整備工事は25年度以降に行う見通しとなる。なお、23年度当初予算には、西側エリアの基本設計委託料1595万円や、東側エリアの基本計画委託料530万円を予算化している。