平均6.5%引き上げ 労務単価 国交省に準じて前倒し(県技術管理課)
[2023/3/8 栃木版]
県は7日、2022年度の公共工事実施設計労務資材単価表を改定した。今回は自由勾配側溝、高力ボルト、スクラップ、燃料などの単価を改定したほか、国が3月1日から引き上げを実施した公共工事設計労務単価について同様に引き上げ、7日以降に起工決議する県土整備部や農政部の工事や業務から適用する。例年は4月の改定を、建設業の人手不足や人件費の高騰を踏まえて1カ月前倒すもので、14年度から10年連続の措置。内容は、先ごろ発表された国土交通省の改定に準じ、本県の全職種平均で前年度から6.5%増の2万8287円とする。また、設計業務や測量業務などの技術者単価も前倒し、7日から国の新たな単価を適用する。
国交省は昨年に引き続き、2月中に3月からの公共工事設計労務単価を決定した。最近の労働市場の実勢価格を適切・迅速に反映するとともに、必要な法定福利費相当額や義務化分の有給休暇取得に要する費用、時間外労働時間を短縮するために必要な費用を反映している。
それによると、全職種の全国平均は2万2227円で、13年度の改訂から11年連続の引き上げ。前回改訂(22年3月)からは平均で5.2%の伸びで、伸び率は9年ぶりに5%以上となった。主要12職種の全国平均も、5.0%引き上げられた。
県技術管理課はこの国の措置を踏まえ、同様に前倒して7日から新たな労務単価を適用する。単価の内容も、国交省の金額に準じて設定した。本県の公共工事設計労務単価は、前年度に比べ運転手(特殊)で9.4%、交通誘導警備員Aで9.3%増加するなど、全51職種の平均は6.5%増加。主要12職種の平均は6.2%増の2万2825円としている。
設計業務委託等技術者単価は、全20職種(職階)の平均で対前年度比5.4%増と、11年連続の引き上げ。全職種単純平均値は4万4455円となり、公表を開始した1997度以降で最高値を更新している。
平均値の内訳は、設計業務(7職階)が平均5万3671円(+7.1%)、測量業務(5職階)が3万7700円(+5.2%)、地質調査業務(3職階)が4万0667円(+6.9%)となる。
新単価の適用にあたり、7日以降に「契約」した工事および業務で、旧単価で予定価格を積算したものは、受注者からの請求により新単価に置き換えて変更契約が可能となる特例措置を国に準じて適用する。
これら労務単価や資材単価のデータは、県技術管理課のホームページ(https://www.pref.tochigi.lg.jp/h02/index.html)で公表している。なお、3月31日までにさらなる設計労務単価の改定が無ければ、4月以降もこの単価を適用する。
公共工事設計労務単価と増加額は、本日付け2面に掲載している。主な設計業務委託等技術者単価と増加額は次の通り。
【設計業務】
▽主任技術者=7万4900円、4300円増
▽理事・技師長=7万0900円、4000円増
▽主任技師=6万2200円、3600円増
▽技師A=5万1200円、4000円増
▽技師B=4万5300円、3700円増
▽技師C=3万5600円、2800円増
▽技術員=3万1600円、2600円増
【測量業務】
▽測量主任技師=5万1000円、3000円増
▽測量技師=4万4000円、1800円増
▽測量技師補=3万4300円、1900円増
▽測量助手=3万2200円、1100円増
▽測量補助員=2万7000円、1600円増
【地質調査業務】
▽地質調査技師=5万3800円、3700円増
▽主任地質調査員=3万9100円、2300円増
▽地質調査員=2万9100円、1900円増