駅周辺整備に9.9億円 当初予算 子育て住宅で設計委託料(常陸大宮市)
[2023/3/8 茨城版]
常陸大宮市の鈴木定幸市長はこのほど、記者会見を開き、23年度当初予算案などを説明した。一般会計は245億3000万円で、前年度当初比4.1%の増加となっている。主な事業では、常陸大宮駅周辺整備事業に9億9815万円を予算化し、自由通路や駅舎改築で着工するほか、駅西交流拠点の実施設計などに着手する。新規事業では、子育て世帯向け住宅整備事業で設計委託料や用地取得費などに2億3129万円を確保。市民球場整備事業では3億2329万円を計上し、新たにフルカラーLEDスコアボードを整備する。このほか、山方支所では地域センターの整備に向けて基本設計や解体工事実施設計委託料1193万円を予算化した。
新年度予算では、引き続き最重要課題とした「人口減少・少子化」対策に重点を置き、人口流出を防ぐダム(政策)を構築し実践する。一般会計に占める普通建設事業費は37億5729万円で、駅周辺整備事業など大型事業により前年度当初比143.7%の増加となった。特別会計と企業会計を合わせた総額は404億4220万円となり、一般会計などの伸びから前年度当初比3.6%の増加となっている。
主な事業のうち、常陸大宮駅周辺整備事業では、関連用地の取得費、東西自由通路と駅舎改築の工事負担金、駅西交流拠点の実施設計委託料、駅周辺の道路整備用地費などを盛り込んだ。東西自由通路と駅舎改築では、20年度にJR東日本と協定を結び、現在は実施設計などを進めているところで、当初予算には工事負担金として総額18億5955万円の債務負担行為(24-26年度)を設定する。新駅舎は駅東側に地平駅として設置し、自由通路(通路部幅員3.5m)により駅東西を結ぶ。駅東西には市が駅前広場を整備し、ローターにより大型バスも旋回・停車できる空間とする。
駅西側に整備する交流拠点ではこのほど、実施設計業務の公募型プロポーザルで、最優秀者にJR東日本建築設計を選定した。この施設は、中富町に先行取得した面積約1万4000平方mの酒造会社跡地のうち、約7500平方mを活用して整備を行うもの。施設計画によると、敷地内には芝生広場(約4300平方m)を中心に、キッチンカーなどの出店にも対応できるイベント広場(約320平方m)、インクルーシブ遊具やテント大屋根などを設置する遊具広場(約1200平方m)、カフェや多目的室などを設置する交流施設(約200平方m)、トイレ棟(約40平方m)などを整備する。関連道路の整備には1億8107万円の事業費を確保する。実施設計は23年度中にまとめ、24-25年度の2カ年で施工し、26年度の供用開始を目指す。概算工事費は税込み8億6700万円としている。
子育て世帯向け住宅は、中富町に計画する戸建住宅で、25年度の入居開始を目指して整備を進めていく。整備戸数は15戸程度を予定し、新年度は造成設計に1843万円、建築設計に2779万円のほか、用地購入費1億8406万円などを確保する。
山方支所では山方地域センターの整備へ基本設計や解体設計に着手する。20年度にまとめた支所庁舎等複合施設整備基本計画によると、旧山方支所と旧山方公民館から移行した山方地域センターでは老朽化が著しく、耐震性にも課題があるとされている。このため、まず旧山方公民館部分を解体して新たな複合化施設を整備し、完成後に現庁舎の解体を進めていくもようだ。
ショッピングセンターピサーロの改修事業には9620万円を計上した。子育て環境の充実や地域経済の活性化などに向け、雨天時でも利用できる子ども広場の整備を行うもので、本年度はフロアの改修工事などを行っている(小林工務店が施工)。23年度はエスカレーターの撤去や子ども広場への遊具設置などを行い、10月ごろの供用開始を目指す。
大宮運動公園市民球場整備事業では、バックスクリーンの改修や新たにフルカラーLEDスコアボードを整備する。市民球場は1998年に完成し、グラウンドは両翼98m(中堅122m)。夜間照明施設や収容人数8000人の観客席なども設置されている。本年度はグラウンドの人工芝工事などを実施。新年度には、バックスクリーンの改修工事と合わせて、新たにフルカラーLED式スコアボードを設置し、事業を終える。
小中学校等照明LED化改修事業には2億6176万円を確保し、第二中学校を除いた全小中学校で整備を行う。放課後児童クラブ整備事業には5793万円を予算化し、山方放課後児童クラブの解体と新設工事を進める。道路整備事業には3億0890万円、空き家対策事業には1455万円を確保した。