通学路の交通安全対策88%完了(千葉県)

[2023/3/3 千葉版]
 
 県議会の県土整備常任委員会が3月2日開かれ、通学路における交通安全対策の進捗率が88%に達していることがわかった。道路河川の除草については、物価高騰に伴い労務単価が上昇していることから、雑草の発生を抑制するシートの設置など長期的な防草効果が得られる対策に取り組むほか、アダプト・プログラムなどを積極的に活用する方針だ。

 委員会では、新年度予算案など20議案について審議し、いずれも原案の通り可決すべきと決定した。

 質疑では、通学路における交通安全対策の進捗状況について質問があり、県が管理している道路における対策必要箇所709カ所のうち、629カ所で整備が完了したことを報告した。

 委員からは、「難しい箇所もあると思うが一日も早く整備を進めてほしい」と求める発言があった。

 設計労務単価の実質賃金への反映については、建設・不動産業課が、「労務費の取引価格を的確に反映した適正な価格での下請契約や、技能労働者への適切な水準の賃金が支払われるよう、建設業団体を通じて求めている」と説明。委員は、「建設業の労働条件改善や賃金水準の向上は、官民一体で全力で取り組むべきテーマ」と応じ、一層の取り組みを要望した。

 除草など道路・河川維持に対する物価高騰の影響については、「22年度は予算を増額補正した」(道路環境課)、「予算執行を工夫しながら、予定範囲を終えられるよう取り組んでいる」(河川環境課)と説明。

 今後の対策として、「長期的な防草対策にも取り組む」(道路環境課)、「(市民の活動を行政が支援する)アダプト・プログラムなどを積極的に活用する」(河川環境課)と答えた。

 また、委員会の冒頭、池口正晃部長は、県土整備部の組織改正、長生グリーンラインの整備、千葉港海岸船橋地区の直轄海岸保全施設整備事業について報告した。

 県土整備部の組織改正については、盛土規制法の成立に伴い、規制区域指定のための基礎調査を進めるとともに、都市計画課に「宅地対策調査室」を新設する。また、市町村のまちづくりを支援するため、都市計画課のまちづくり支援班を「まちづくり支援室」に改組する。

 長生グリーンラインのうち、茂原市三ケ谷~一宮町一宮区間の整備については、斉藤鉄夫国土交通大臣から新規事業化について、前向きなコメントがあったことから、県としても、早期整備に努める。

 国の直轄事業として採択された海岸保全施設整備事業については、国と共催で4日に着工式典を開催する。国や地元市と連携しながら、海岸保全施設の機能強化を図り、高潮や津波に備えていく。

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